ポート数が多いほど、多くの機器と接続できる高性能なスイッチといえます。しかし、48ポートもあったとして、小規模のオフィスですべてを使い切る場合は少ないでしょう。将来会社の規模を拡大する予定なら、ポート数が足りなくなる可能性を考慮し、48ポートある製品を購入するのも一つの手です。また、定価だと高額な機種でも、中古では安価な可能性があります。
今回、Ciscoのスイッチ「Cisco Catalyst 2960-X シリーズ」を例に、48ポートの特徴をご紹介します。48ポートの問題点と活用の場にも触れていますので、合わせて確認してみてください。
■紹介する製品一覧
製品名 | アップリンクポート | 訴求ポイント |
---|---|---|
WS-C2960X-48LPS-L | SFP 4ポート | アップリンクを4ポートも搭載しており、自由度の高いネットワーク構築が可能 |
WS-C2960X-48FPS-L | SFP 4ポート | 740WのPoE給電ポートにより、外部電源が確保しづらい場所でも設置が可能 |
WS-C2960S-48LPD-L | SFP/SFP+ 2ポート | 10ギガビットの高速アップリンクで、広範囲のネットワークも速度が落ちにくい |
WS-C2960X-48FPD-L | SFP/SFP+ 2ポート | Flex Stack Plusに対応していて、大規模ネットワークもスマートに構築できる |
目次
Ciscoスイッチ(48ポート)は使える場所が限られるのでは?
ポート数が増えるほど、確かにスイッチとしての性能は高くなります。しかし、48ポートのようにポート数が多くなりすぎると、ただポート数が余ってしまうだけでなく、いくつかの問題点があるので要注意です。
ポートが余ってしまう
ポートとはLANケーブルなどの配線を接続するジャック(差込口)のことで、ポートの数だけパソコンなどの機器と接続できます。将来ポート数が足りなくなるのを防ぐため、あえて必要数より多めのスイッチを選ぶのが一般的です。しかし、社員10?20人程度の小規模オフィスに、48ポートは多すぎます。
本体が大きくなる
ポート数が増えるほど、スイッチの本体が大きくなるのも問題です。単純計算にはなりますが、24ポートと48ポートのスイッチでは、本体の大きさは倍近くも差が出てきます。オフィスが広々としているならまだしも、小規模オフィスの限られた空間に48ポートのスイッチを設置すると、結構な存在感です。
価格が高くなる傾向に
ポート数がすべてではないものの、スイッチはポート数が増えるほど価格(定価)は高くなる傾向にあります。例えば、同じシリーズのスイッチでも、28ポートと48ポートでは数万円の価格差になることもあるのです。ただ、価格に関しては、中古市場だとあまり差はないので、中古を活用するのなら気にする必要はないでしょう。
48ポートの中古スイッチを活用できる場所
48ポートのスイッチでも、中古なら価格的な問題は少ないとのことでした。しかしまだ、ポート数と本体サイズの問題は残っているので、ここからは48ポートが活用されている場所を見ていきましょう。
中規模オフィス
50名以内、かつ1フロアの中規模オフィスであれば、48ポート1台で十分です。日本における中小規模オフィスの割合は全体の7割前後とされるため、48ポートもあればまず足りない事態にはならないでしょう。
台数:1台
範囲:1フロア
人数:50名
大規模オフィス
100名以上で2フロアにまたがる大規模オフィスでも、各フロアに1台ずつ48ポートを設置すれば対応できます。基本的にポート数は48ポートが最大ですので、規模が大きくなってもスイッチの台数で対応するのです。
台数:2台?
範囲:2フロア
人数:100名
病院や公的機関
病院や公的機関のように数階建のビルでは、利用人数が少なくても各フロアに1台ずつ設置することは珍しくありません。スイッチからの距離が遠くなるほど、通信速度は遅くなる傾向にあるためです。
台数:3台?
範囲:3フロア?
人数:50名
■紹介する製品の性能表
WS-C2960X-48LPS-L | WS-C2960X-48FPS-L | WS-C2960S-48LPD-L | WS-C2960X-48FPD-L | |
---|---|---|---|---|
ダウンリンク | 48ポート | 48ポート | 48ポート | 48ポート |
アップリンク | SFP 4ポート | SFP 4ポート | SFP/SFP+ 2ポート | SFP/SFP+ 2ポート |
Cisco IOS | LAN Base | LAN Base | LAN Base | LAN Base |
VLAN | 1,024 | 1,024 | 1,024 | 1,024 |
PoE | 48ポート/370W | 48ポート/740W | 48ポート/370W | 48ポート/740W |
RPS | ● | ● | ● | ● |
Flex Stack Plus | ● | ● | ● | ● |
新品(定価・税別) | 782,810円 | 922,720円 | 1,025,360円 | 1,118,600円 |
中古(定価・税別) | – | – | 246,080円 | – |
※上記の中古価格は、中古ネットワーク機器を取り扱う「アイティープロダクト」を参考にしています。
※アップリンクポートとは、スイッチやハブ、ルータなど他の集積装置に接続するためのポートです。
※PoE(Power over Ethernet)とは、イーサネットの配線を利用して機器に給電できる技術です。
※RPS(冗長化電源システム)とは、1台のスイッチに複数の電源ユニットを搭載するシステムです。
※Flex Stack Plusとは、複数台のスイッチを仮想的に1台としてまとめて運用できる技術になります。
製品紹介:WS-C2960X-48LPS-L
ギガビットイーサネット対応のダウンリンクを48ポート、アップリンクを4ポートも搭載したスイッチです。アップリンクポートに余裕のある機種なので、より広範囲に自由度の高いネットワーク構築ができます。
また、新品(定価)では782,810円(税別)と高額ではありますが、ご紹介する4機種の中ではもっとも安価です。中古市場だとさらにお買い得な価格で手に入れやすい機種なので、中古で探してみるのもいいでしょう。
■WS-C2960X-48LPS-L 製品情報まとめ
- 他の3機種と比べて価格が安くて中古でも探しやすい
- アップリンクを4ポートと自由度の高い設置ができる
- RPS対応により電源モジュール関係のトラブルに強い
WS-C2960X-48LPS-Lの中古販売ページはこちら
WS-C2960X-48LPS-Lのレンタルはこちら
製品紹介:WS-C2960X-48FPS-L
「WS-C2960X-48LPS-L」と同様にダウンリンクを48ポート、アップリンクを4ポートも搭載したスイッチです。さらに、740WのPoE給電ポートを採用し、外部電源を確保しづらい場所でもネットワーク構築が可能です。
また、RPS(冗長化電源システム)にも対応しており、複数の電源ユニットを搭載できるため、何らかの原因で1つの電源モジュールが故障しても、残りの電源モジュールに問題がなければスイッチの機能を維持できます。
■WS-C2960X-48FPS-L 製品情報まとめ
- PoE給電ポートで外部電源に頼らない設置ができる
- RPS対応により電源モジュール関係のトラブルに強い
- Cisco IOSとして「LAN Base」を採用している
WS-C2960X-48FPS-Lの中古販売ページはこちら
WS-C2960X-48FPS-Lのレンタルはこちら
製品紹介:WS-C2960S-48LPD-L
ダウンリンクを48ポートに加え、10ギガビットイーサネットの高速通信対応アップリンクポート(SFP+)を2ポート搭載したスイッチで、広範囲にネットワークを構築しても通信速度が落ちにくいのが特徴です。
また、「WS-C2960S-48LPD-L」は新品(定価)では1,025,360円(税別)するのに対して、中古価格だと246,080円(税別)と3分の1以下。高性能かつ安価に手に入れられる機種として中古市場でも人気です。
■WS-C2960S-48LPD-L 製品情報まとめ
- 10ギガビットのアップリンクポートを2ポート搭載
- PoE給電ポートで外部電源に頼らない設置ができる
- RPS対応により電源モジュール関係のトラブルに強い
WS-C2960S-48LPD-Lの中古販売ページはこちら
WS-C2960S-48LPD-Lのレンタルはこちら
製品紹介:WS-C2960X-48FPD-L
「WS-C2960S-48LPD-L」と同様にダウンリンク48ポートに、アップリンクポート(SFP+)を2ポート搭載したスイッチです。4機種の中ではもっとも性能のいい最高クラス機種で、740WのPoE給電ポートも採用しています。
また、Flex Stack Plus(スタック機能)にも対応しており、複数台のスイッチを仮想的に1台にまとめて運用できるため、設置場所が限られていても大規模なネットワークを、スマートかつ冗長的に構築できます。
■WS-C2960X-48FPD-L 製品情報まとめ
- 10ギガビットのアップリンクポートを2ポート搭載
- RPS対応により電源モジュール関係のトラブルに強い
- Flex Stack Plusでスマートかつ冗長的に設置できる
WS-C2960X-48FPD-Lの中古販売ページはこちら
WS-C2960X-48FPD-Lのレンタルはこちら
小規模オフィスでも48ポートは活用できる!
今回、48ポートのスイッチは必要なのか、Ciscoのスイッチ「Cisco Catalyst 2960-X シリーズ」を例に考えてきました。結論として、小中規模オフィスでも将来を見越して48ポートのスイッチを選択するのもひとつです。問題となりやすい価格面も、中古であればそれほど気になりません。
- 48ポートは小規模から大規模オフィスまで対応できる
- 48ポートのスイッチはPoEやRPS対応など高性能なものが多い
- 中古市場であれば48ポートでも十分安価で手に入れられる
ちなみに、ご紹介した4機種はどれも、国内外のメーカー品を幅広く取り扱っている「アイティープロダクト」で購入できます。状態のいい中古品はもちろん、これらスイッチには「レンタル」という選択肢もあるので、48ポートのスイッチに興味のある方は、ぜひ問い合わせてみてください。