社内ネットワーク構築を考える上で、安価に手に入れられる中古スイッチは魅力的です。しかし、中古は「昔の機種」だけに、省エネモードがないなど機能の少ない機種もあります。そこで、おすすめしたいのがCiscoの「2960-X シリーズ」です。こちらはエネルギー効率を重視したシリーズで、従来のスイッチと比較して消費電力を最大80%も削減することができます。

今回、スイッチに省エネモードが必要なのか、中古スイッチの中でもCiscoの「2960-X シリーズ」についてご紹介しましょう。3つほど製品を取り上げて、特徴や性能、価格の比較も行っています。

■紹介する製品一覧

製品名 アップリングポート 訴求ポイント
WS-C2960X-48TS-LL SFP 2ポート 定価で475,000円(税別)と、3機種の中でもっとも安価で、中古市場でも購入しやすい
WS-C2960X-48TS-L SFP 4ポート RPS(冗長化電源システム)に対応しており、不慮のトラブルでもネットワークが停止しづらい
WS-C2960X-48TD-L SFP/SFP+ 2ポート Flex Stack Plus(スタック機能)により、大規模なネットワークもスマートに構築しやすい

中古のスイッチは省エネモードを搭載していない機種もある

ネットワーク機器の中古市場は規模が大きく、比較的新しい機種を安価に見つけやすいため、社内ネットワーク構築にはおすすめです。しかし、中には省エネモードを搭載していない機種もあります。

スイッチはポート数に応じて消費電力が増える

社内ネットワーク構築をするにあたり、通信の中継器である「スイッチ」はまず欠かせない機器のひとつです。そして、スイッチはポート数に応じて消費電力が増える傾向にあります。一般的なスイッチだと、24ポートで1時間あたり15?20Wほど、48ポートで25?30Wほどです。古い機種ほど消費電力は大きいため、中古スイッチではもう少し増えることもあるでしょう。

社内ネットワークは24時間稼働している

社内ネットワークに「省エネ性能は必要なのか?」という疑問のある方も多いと思います。1kWhあたり27円だと仮定して、スイッチの消費電力が15Wだと、1時間あたり0.4円ほどであるので、確かに気にするほどでもありません。
しかし、社内ネットワークは24時間365日稼働しているもので、1時間0.4円でも1日(24時間)9.6円、1ヶ月(30日)288円、1年3,504円かかります。5年、10年と長期的に考えると結構な額になるはずです。

各機器の消費電力は電気代に影響する

さらに、社内ネットワークにはスイッチが1台だけではありません。モデムやルータ、無線LANなど様々な機器がありますし、ネットワークの規模によってはスイッチだけで10台以上導入している場合も考えられます。
つまり、1台あたりはたった1円以下でも、社内ネットワーク全体だと1時間あたり100円以上かかっていることもあります。社内ネットワークを構築する上で、「コスト」を考えるのなら省エネ性能は欠かせない要素なのです。

Catalyst 2960-Xシリーズが搭載する省エネモード

WS-C2960Xシリーズ

スイッチに限らず、社内ネットワーク構築では「省エネ性能」が重要とのことでした。そして、ご紹介するCiscoの「Catalyst 2960-Xシリーズ」は、数あるスイッチの中でも省エネモードを複数搭載した機種です。

スイッチ休止モード

普段のネットワーク稼働状況に応じて、スイッチの機能を一定時間「オフ」状態にするモードです。これにより、スイッチの不必要な稼働を抑えることができ、営業時間外の消費電力を最大90%削減できます。

ダウンリンク休止モード

通常時、「Catalyst 2960-Xシリーズ」ではダウンリンクポートにも電力供給を行っているのですが、このモードではこうしたダウンリンクポートへの電力供給を「オフ」にでき、一定の電力削減が期待できます。

Energy Efficient Ethernet(EEE)

Energy Efficient Ethernetとは、省電力型のイーサネットのことです。データ送受信のない待ち時間の消費電力を削減するモードになります。「Catalyst 2960-Xシリーズ」ではデフォルトの機能で、24ポートで約8W、48ポートで約15W削減できます。
このように、「Catalyst 2960-Xシリーズ」には複数の省エネモードが搭載されており、それら全てのモードを活用することで、従来のスイッチと比較して「最大80%」までの消費電力の削減効果が期待できるのです。

■紹介する製品の性能表

WS-C2960X-48TS-LL WS-C2960X-48TS-L WS-C2960X-48TD-L
アップリンクポート SFP 2ポート SFP 4ポート SFP/SFP+ 2ポート
Cisco IOS LAN Lite LAN Base LAN Base
VLAN数 64 1,024 1,024
RPS
Flex Stack Plus
新品(定価・税別) 475,000円 586,930円 782,810円
中古

※RPS(冗長化電源システム)とは、1台の機器に複数の電源ユニットを搭載できるシステムです。
※Flex Stack Plusとは、物理的には複数台のスイッチを、仮想的に1台にまとめて運用する技術です。

製品紹介:WS-C2960X-48TS-LL

アップリンクポート(SFP)を2ポート、VLANを64ほど搭載した、小中規模向けのスイッチです。その為、大規模な導入には不向きですが、他の2機種と比べて価格は安く、中古でも手に入りやすい機種となっています。

また、「WS-C2960X-48TS-LL」もまた他と同様に、「Catalyst 2960-Xシリーズ」のひとつなので、スイッチ休止モードやダウンリンク休止モードなど複数の省エネモードも搭載されている省エネ性能の高い機種です。

■WS-C2960X-48TS-LL 製品情報まとめ

  1. 他の2機種と比べて価格が安くて中古でも手に入りやすい
  2. Catalyst 2960-Xシリーズなだけあり省エネ性能が高い
  3. 3機種の中でCisco IOSに唯一「LAN Lite」を採用している

WS-C2960X-48TS-LLの中古販売ページはこちら
WS-C2960X-48TS-LLのレンタルはこちら

製品紹介:WS-C2960X-48TS-L

アップリンクポート(SFP)を4ポート、VLANを1,024も搭載している、中大規模向けのスイッチです。「WS-C2960X-48TS-LL」と比べて価格は高くなりますが、中古でも比較的状態のいいものが安価で手に入ります。

また、RPS(冗長化電源システム)に対応しているため、もし落雷など何かの原因で1つの電源モジュールが故障しても、他の電源モジュールに切り替えられるので、社内ネットワークが停止するリスクを軽減できます。

■WS-C2960X-48TS-L 製品情報まとめ

  1. Catalyst 2960-Xシリーズなだけあり省エネ性能が高い
  2. RPS対応により電源モジュール関係のトラブルが少ない
  3. Cisco IOSに「LAN Base」を採用している

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WS-C2960X-48TS-Lのレンタルはこちら

製品紹介:WS-C2960X-48TD-L

10ギガビットイーサネットに対応するアップリンクポート(SFP+)を2ポート、VLANを1,024も搭載した、大規模向けのスイッチです。3機種の中では上位機種なので価格は高いですが、「レンタル」という選択もあります。

また、「WS-C2960X-48TD-L」はFlex Stack Plus(スタック機能)にも対応しており、複数台のスイッチを仮想的に1台として運用することで、ネットワークを無駄なくスマートに、かつ冗長的に構築できます。

■WS-C2960X-48TD-L 製品情報まとめ

  1. Catalyst 2960-Xシリーズなだけあり省エネ性能が高い
  2. Flex Stack Plus機能によりスマートなネットワーク構築
  3. RPS対応により電源モジュール関係のトラブルが少ない

WS-C2960X-48TD-Lの中古販売ページはこちら
WS-C2960X-48TD-Lのレンタルはこちら

社内ネットワーク構築に「省エネ性能」は欠かせない!

今回、社内ネットワーク構築におけるスイッチの「省エネ性能」の重要性、おすすめのスイッチとしてCiscoの「Catalyst 2960-Xシリーズ」の省エネモードと、3機種の性能比較をしてきました。

ここがポイント

  • ほんの数円の電気代でもネットワーク全体で考えると大きな差になる
  • Catalyst 2960-Xシリーズは従来のスイッチと比較して電気消費が80%削減
  • 省エネ性能の高い機種でも中古市場であれば比較的安価に手に入る

ちなみに、ご紹介した3機種はどれも中古ネットワーク機器を幅広く取り扱っている「アイティープロダクト」で購入できます。どの機種も中古は「要問い合わせ」となっていますが、定価よりもお得になっているので、省エネ性能の高いスイッチに興味のある方は、ぜひお問い合わせください。