FortiGate 60Fは、Fortinet製品の中でも中小企業や拠点向けUTMとして長く採用されてきた定番モデルです。その更改候補として比較されることが多いのが、FortiGate 70Gです。

ただし、70Gへの入れ替えは「新しいから」で決めるべきではありません。実際には、搭載プロセッサ、メモリ容量、NGFW性能、IPsec VPN性能、インターフェース構成、型番ごとの商品構成、バンドル版の選び方など、比較すべきポイントが複数あります。この記事では、FortiGate 60Fと70Gの違いを比較に特化して整理します。

※アイティープロダクトでは、Fortinet製品を幅広く取り扱っております。FortiGate 70Gの在庫状況やお見積りについては、お気軽にお問い合わせください。

FortiGate 70Gの概要

FortiGate 70Gとは

FortiGate 70Gは、Fortinetが展開する拠点向け次世代ファイアウォール(NGFW)シリーズのG世代モデルです。最新の専用ASIC「FortiSP5(第5世代セキュリティプロセッシングユニット)」と4GBメモリを搭載し、60Fと比べてUTM機能やVPNをより余裕を持って運用しやすいモデルです。

FortiGateシリーズは、ファイアウォール、IPS、アンチウイルス、Webフィルタリング、VPN、SD-WANなどの機能を1台に集約できるUTMアプライアンスです。拠点ネットワークで必要なセキュリティと通信制御をまとめて導入しやすい点が、継続して選ばれている理由です。

FortiGateラインナップの中での70Gの位置付け

Fortinetの公開製品ラインナップでは、拠点向けモデルとして50G系、70G系、90G系が展開されています。70Gはその中でも、60Fの更改先として比較しやすい性能帯に位置するモデルです。

レンジ主な比較対象向いている用途
小規模拠点向け50G系必要最小限のUTM、少人数拠点、コスト重視
標準拠点向け70G60F更改、UTMを広く使う拠点、VPNやSD-WANも重視
上位拠点向け90G系以上高トラフィック拠点、多数ユーザー、高い将来拡張性が必要な環境

FortiGate 60Fと70Gの比較表

FG-70Gは、FG-60Fと比較して各セキュリティ処理の性能が大きく向上しています。まずは主要スペックの違いを比較表で確認しましょう。

項目FortiGate 60FFortiGate 70G70Gの進化ポイント
搭載プロセッサFortiSoC4FortiSP5第5世代ASICによる高速演算
メモリ(RAM)2 GB4 GB2倍。運用余力を確保しやすい
FWスループット
(64バイトUDPパケット)
6 Gbps10 Gbps内部処理余力が向上
IPSスループット1.4 Gbps2.5 Gbps約1.7倍。脆弱性攻撃への防御力向上
NGFWスループット1.0 Gbps1.5 Gbps1.5倍。アプリ制御+IPS有効時
脅威保護性能700 Mbps1.3 Gbps約1.8倍。1Gbps回線を活かしやすい
IPsec VPN性能6.5 Gbps7.1 Gbps拠点間接続やVPN利用で余裕がある
最大同時セッション70万140万2倍。多デバイス接続に対応
FW新規セッション/秒35,000100,000秒間の処理能力が大幅向上

特に差が大きいのは、NGFW性能、脅威保護性能、最大同時セッション数、そしてメモリ容量です。従業員数の増加やSaaS利用の拡大、拠点回線の高速化を見据える場合にも、70Gは余裕を持って選びやすいモデルです。

比較ポイントを項目別に解説

1. FortiSP5と4GBメモリで処理余力が大きく向上

70Gの大きな進化ポイントは、FortiSP5と4GBメモリの組み合わせです。60Fは2GBメモリモデルとして知られており、Fortinetの公開情報でも、FortiOS 7.6系では2GB RAMモデルに対して一部のproxy-related featuresやSecurity Rating関連機能の制限が案内されています。

その点、70Gは4GBメモリ構成となっており、UTM機能、ログ取得、VPN、SD-WANなどを併用する環境でも、より余裕を持った運用を見込みやすいモデルです。将来的な設定追加や拠点拡張まで考えるなら、60Fより選びやすい構成といえます。

2. NGFW性能と脅威保護性能の差が大きい

比較表でもわかるとおり、70GはNGFWスループット 1.5 Gbps、脅威保護性能 1.3 Gbpsで、60Fを大きく上回ります。単純なFWスループットだけでは見えにくい差ですが、実運用ではアプリ制御、IPS、アンチウイルス、Webフィルタリングなどを有効にするため、ここが機種選定の重要ポイントになります。

特に1Gbps級回線でUTMをしっかり有効化したい場合、60Fでは余力が気になりやすい一方、70Gはより安心感のあるスペックです。

3. IPsec VPN性能も70Gが優位

拠点間VPNや本社と支店を結ぶ常時接続用途でも、70Gは優位です。IPsec VPN性能は60Fの6.5 Gbpsに対して70Gは7.1 Gbpsで、通信量が増える拠点や将来的な拠点増設を見据える環境でも選びやすい仕様です。

VPN性能だけで機種を決めるわけではありませんが、ファイアウォール、UTM、VPNを1台でまとめたい場合、70Gの総合力は大きな魅力になります。

バンドル版(BDL)の違いと選び方

バンドル版は、ハードウェア本体に保守と主要セキュリティライセンスを組み合わせたパッケージです。FG-60F-BDLやFG-70G-BDLといった型番で流通し、導入後すぐにUTM機能を活用しやすい商品構成になっています。

  • アンチウイルス:マルウェア検知とブロック
  • IPS:既知の脆弱性を狙う攻撃の検知・遮断
  • Webフィルタリング:危険サイトや不要カテゴリへのアクセス制御
  • アンチスパム:不要メールやフィッシング対策。

60Fでは2GB RAMモデル向け制限が進んでいるため、UTM機能を広く使う環境ではメモリ余力の差が運用面に影響しやすくなります。とくにコンサーブモード(メモリ保護状態)は、メモリ不足を回避するためにアンチウイルスやIPSなどのUTM機能が自動で無効化・制限されるモードであり、継続運用では避けたい状態です。4GBメモリの70Gは、このリスクを抑えながら運用しやすい候補として比較しやすいモデルです。

主な活用シーン

中小企業・拠点ネットワークでの活用

FortiGate 70Gは、中小企業の本社、支店、店舗、医療・教育系拠点などで使いやすいモデルです。UTM機能をバンドル版で一括導入することで、個別にセキュリティ製品を購入・管理する手間とコストを抑えやすくなります。

従業員100名以下のオフィスでも、FG-70Gの140万同時セッション、1.5 Gbps NGFWスループットは十分な処理能力を見込めます。FortiOS上のGUIベース管理により、専任のITエンジニアがいない環境でも基本的な設定や運用を進めやすいのもメリットです。

拠点一元管理での導入

エンタープライズ環境では、FG-70Gを拠点・支店向けのエッジファイアウォールとして導入し、本社のFortiManagerやFortiAnalyzerから一元管理する構成が効果的です。全拠点のセキュリティポリシーをまとめて管理しやすく、大規模ネットワークの運用効率向上にもつながります。

また、IPsec VPNによる拠点間接続は7.1 Gbpsの高速処理に対応しており、拠点間の業務アプリケーション利用にも十分なパフォーマンスを期待できます。

60Fから70Gへの移行ポイント

既存のFG-60F環境からFG-70Gへ移行する際は、以下の点を押さえておくとスムーズです。

  • OSバージョンの整合性:移行元(60F)と移行先(70G)のFortiOSバージョンをできるだけ近づけてから作業する方が安全です
  • ライセンス構成の見直し:ベースモデルとバンドル版のどちらが自社に合うか、保守年数も含めて再確認することを推奨します
  • FortiConverterの活用:複雑なポリシーやルート設定がある場合は、公式の変換ツール「FortiConverter」(有償)の利用も有効です

※どのモデルが自社に最適か判断に迷う場合は、アイティープロダクトのお問い合わせ窓口までお気軽にご相談ください。ご利用環境やご予算に応じて最適な機種をご提案いたします。

まとめ

FortiGate 70Gと60Fを比較すると、差が大きいのはハードウェア世代だけではありません。NGFW性能、脅威保護性能、最大同時セッション、メモリ容量まで含めて、70Gはより余裕のある拠点向けモデルとして整理できます。

  • ハードウェア性能の大幅向上(NGFWスループット1.5倍、最大同時セッション2倍)
  • 4GBメモリ構成により、60Fよりも運用余力を見込みやすい
  • 型番と商品構成まで確認することで、自社に合う導入パターンを選びやすい
  • バンドル版利用時のUTM運用でもメモリ余力を持たせやすい
  • 60Fの更改先として、性能と拡張性のバランスを取りやすい

機種選定で迷った際は、ぜひアイティープロダクトにご相談ください。新品から中古品まで幅広く在庫を取り揃えており、お客様の環境に合った最適な機種をご提案します。

よくある質問

Q. FortiGate 70GはFortiGate 60Fの後継機ですか?
FortiGate 70Gは、60Fからの更改候補として比較されることが多いモデルです。処理性能、メモリ容量、UTM運用時の余力という観点で検討されるケースが増えています。

Q. FortiGate 70Gと60Fの一番大きな違いは何ですか?
比較上の大きな違いは、FortiSP5と4GBメモリによる処理余力、NGFW性能、脅威保護性能、最大同時セッション数、そして5GbEポート搭載による拡張性です。

Q. FortiGate 70Gのバンドル版(BDL)には何が含まれますか?
アンチウイルス、IPS、Webフィルタリング、アンチスパムが主な構成要素です。

Q. FortiGate 70Gの4GBメモリは何に効きますか?
UTM機能、ログ取得、VPN、SD-WANなどを併用する際の余力に直結します。Fortinet公式でも、2GB RAMモデルではFortiOS 7.6系で一部機能制限が進んでいるため、比較時の重要ポイントになります。

FortiGate 60Fのサポート期限はいつまでです
2026年4月8日時点で、Fortinetの公開ライフサイクル情報では60FのEOO/EOS日程は公表されていません。ただし、保守期限だけでなく、運用上必要な性能や機能余力も含めて更改を判断することが重要です。

Q. FortiGate 70Gはどんな企業に向いていますか?
中小企業の本社、支店、店舗、医療・教育系拠点など、1Gbps級回線とUTMをしっかり使いたい環境に向いています。拠点VPN、SD-WAN、将来の高速回線化を見据える企業にも適しています。

Q. FortiGateのラインナップで70Gはどの位置付けですか?
70Gは拠点向けエントリーからミドル寄りのレンジを担うモデルで、60Fの更改候補として検討されやすい位置付けです。より小規模なら50G系、より上位性能が必要なら90G系以上も比較対象になります。

本記事は2026年4月時点の情報です。最新の在庫状況はアイティープロダクトのサイトでご確認ください。