Cisco社のアクセスポイント製品は、世界中で幅広く使用されています。国内企業でも、Cisco社のルーターやスイッチングハブなどのアクセスポイント製品使っているところは多いでしょう。Cisco社のアクセスポイント製品は高価であるため、新品の製品だけでなく中古の製品を使用することもあります。

しかし、中古のCiscoアクセスポイントは、機能やスペックが分かりづらいと感じている人もいるでしょう。ここでは、中古のCiscoアクセスポイント製品を型番から機能やスペックを把握する方法について解説していきます。

中古のCiscoアクセスポイントはシリーズが多すぎて機能が分からない

中古のCiscoアクセスポイントを導入しようとして、探してみると非常に多くのシリーズが見つかるでしょう。例えば、Cisco Aironetというアクセスポイントについて見てみると、シリーズがいくつもあります。
600シリーズや3500シリーズなど、シリーズ名は後ろの方に3桁か4桁の数字が付いているものがほとんどです。

また、同じシリーズのアクセスポイント製品でも2種類から5種類程度に分かれています。用途に合ったアクセスポイント製品を選ぶには、シリーズによる違いを理解しておかなければなりません。機能やスペックの違いについて見てみると、アンテナの数やストリーム数などによって、細かく種類が分かれています。

アンテナの数とストリーム数が同じアクセスポイントでも、使用可能なチャンネルの種類や動作モードなどが異なる製品がいくつもあり複雑です。新しいシリーズのアクセスポイント製品なら、機能が豊富でスペックも高いというわけではありません。
全体的に見れば、新しいシリーズは機能が豊富でスペックも高めの傾向にありますが、そうでない製品もあります。

逆に古いシリーズでも機能やスペックが比較的優れている製品もあるため、シリーズだけでなく具体的な機能やスペックを見て決めなければなりません。そして、Cisco社のアクセスポイントの機能やスペックの違いは、製品型番を見てみると分かるようになっています。

中古のCiscoアクセスポイント製品の型番の見方

ワイヤレス

Cisco社のAironetの製品型番は、どの製品も最初はAirから始まります。
Airの次の部分にはアルファベット3から4文字と英数字をハイフンでつなげてあります。さらにハイフンでアルファベット1文字を付けて、一番後ろにハイフンでK9と付けるという形式です。
最初のAirと最後のK9は、Aironetならどの製品も共通しています。

Airの次のアルファベット3,4文字が意味するのは、動作モードです。
SAPなら自律型を意味しています。CAPはCisco Clean Airに対応している集中管理型で、LAPなら非対応の集中管理型です。OEAPの場合にはCisco Office Extendに対応している集中管理型を意味しています。

英数字は、シリーズ名の数字からゼロを1つ取ったものと対応無線規格を表す数字、アンテナを表す数字で構成されています。対応無線規格は、シングルバンドなら1で、デュアルバンドなら2です。

アンテナはIとWなら内蔵を意味し、EとPなら外付けを意味しています。ハイフンでつながれたアルファベット1文字は、5GHz帯の使用可能チャンネルを表すものです。PならW52とW53を使用できます。Qならその2つに加えてW56も使用可能です。

具体的な例として「AIR-SAP1602E-Q-K9」について見てみましょう。
動作モードが自律型で1600シリーズのデュアルバンド、アンテナは外付けで、W52とW53、W56を使用できるということが分かります。

中古のCiscoアクセスポイント。シリーズごとの性能の違い

Cisco Aironet 1800シリーズは、ほとんどの機種が内蔵アンテナを使用しており、2機種のみ外付けアンテナです。どの機種も400までのクライアントと接続できます。

Cisco Aironet 2600は4機種あるうち2機種は動作モードが自律型で、残りの2機種はCisco Clean Air対応の集中管理型です。Office Extendに対応しているのも1機種もあります。また、4機種ともW52とW53、W56の全てを使用可能です。

2700シリーズは2機種のみで、いずれも動作モードはCisco Clean Air対応の集中管理型で、一方のみOffice Extendにも対応しています。

3500シリーズは、どの機種もCisco Clean Airに対応している集中管理型で、そのうち2機種はOffice Extendにも対応しています。5GHzが使用できず、2.4GHzのみ使用可能なものも2機種あります。5GHzに対応している機種は3種類のチャンネルを使用可能です。

3600シリーズは2機種のみで、いずれも2.4GHzと5GHzの両方を使用できて、チャンネルも3つとも使用可能です。動作モードはいずれも集中管理型で、片方がCisco Clean AirとOffice Extendの両方に対応しており、もう片方はCisco Clean Airのみに対応しています。

【実践】中古Ciscoアクセスポイントの型番からスペックを把握する

実際に中古のCisco社製アクセスポイントの型番を見て、スペックを確認してみましょう。
例としてAIR-AP1815I-Q-K9CとAIR-AP2802I-Q-K9について説明していきます。

AIR-AP1815I-Q-K9C

AIR-AP1815I-Q-K9Cは、型番からCisco Aironet 1810シリーズのアクセスポイントだということが分かります。

数字の後ろに付いているアルファベットがIであるため、アンテナは内蔵されているタイプです。アルファベット1文字の箇所がQであることから、5GHz帯のチャンネルは、W52とW53、W56の3つとも使用できることも分かります。また、自立型であるため、集中管理には対応していません。

この製品は、中規模以下の比較的小さいネットワークを構築するのに適しているアクセスポイント製品です。
Cisco社製のアクセスポイントの中では、値段も比較的リーズナブルであるため、低コストでネットワークを構築したい場合に使用するといいでしょう。

■AIR-AP1815I-Q-K9C 製品情報まとめ

  1. 自立型のアクセスポイント
  2. W52、W53、W56に対応
  3. 内蔵アンテナ
  4. 中小規模のネットワーク構築に向いている
  5. 値段がリーズナブル

AIR-AP1815I-Q-K9Cの中古販売ページはこちら

AIR-AP2802I-Q-K9

AIR-AP2802I-Q-K9は型番からCisco Aireonet 2800シリーズのアクセスポイントだということが分かります。

数字の部分のシリーズ名を表す部分の次のところが2であるため、対応無線規格はデュアルバンドです。さらに後ろの方に付いているアルファベットがIであることから、アンテナが内蔵タイプだということも分かります。そして、ハイフンでつながれたアルファベット1文字はQであるため、5GHz帯の使用可能チャンネルは、W52とE53、W56の3つです。

こちらの方は、集中管理型に対応しており、どちらかといえば中規模以上の大きなネットワークを構築するのに適しています。スペックがある程度高めであることから、値段も相応に高めです。

■AIR-AP2802I-Q-K9 製品情報まとめ

  1. 集中管理型のアクセスポイント
  2. W52、W53、W56に対応
  3. 内蔵アンテナ
  4. 中規模以上の大きなネットワーク構築に向いている
  5. スペックが高め

AIR-AP2802I-Q-K9の中古販売ページはこちら
AIR-AP2802I-Q-K9のレンタルはこちら

型番から機能やスペックを確認して購入する製品を決めよう

ここがポイント

  • Cisco社製のアクセスポイントの型番は、シリーズ名やスペックなどを表す記号で構成されている
  • 型番のAIRの次の部分は動作モードを表す
  • 数字はシリーズと対応無線規格を表す
  • 数字の後ろのアルファベットはアンテナのタイプ
  • PやQは5GHz帯の使用可能チャンネルを表す

Cisco社製のアクセスポイント製品は、非常に多くの種類があり、用途に合わせて機能やスペックを選べます。同じシリーズのアクセスポイント製品でも、スペックがかなり違う場合もあるため注意が必要です。
小規模ネットワーク向けの製品もあれば大規模ネットワーク向けの製品もあるため、購入前によく確認しておきましょう。機能やスペックは一見すると分かりづらいですが、製品型番を見て大まかな機能やスペックは確認可能です。Cisco社製のアクセスポイント導入の際には、ぜひ参考にしてみてください。