グローバル化が進むにつれ、各地にブランチオフィスを設置する企業が増えてきました。当然、ブランチオフィスにもネットワーク構築は必要ですが、あまり多くの費用はかけられません。

そこでおすすめなのが、Cisco(シスコ)のルータ「ISR 1900シリーズ」です。ISR 1900シリーズは小規模拠点用ルータとして比較的安価に導入でき、かつ1台に様々な機能が搭載されています。

この記事では、ブランチオフィスの抱えるネットワーク構築の課題と小規模拠点向けのルータとは何かについて、CiscoのISR 1900シリーズの特徴とおすすめ機種3選の性能や機能をご紹介しましょう。

■紹介する製品一覧

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C1921-AX/K9IP Base + SEC + APPWAASu306bu3088u308au30a2u30d7u30eau30b1u30fcu30b7u30e7u30f3u306eu6700u9069u5316u30fbu9ad8u901fu5316

ブランチオフィスのネットワークを安価に構築したい

ブランチオフィスにもネットワーク構築は必要であると同時に、企業は少しでも安価に構築したいとも考えています。では、なぜ企業はブランチオフィスのネットワークの構築費用を抑えたいのでしょうか?

ブランチオフィスとは?

ビジネス英語では会社組織について、本社を「ヘッドオフィス(head office)」、支社を「ブランチオフィス(branch office)」と表現することがあります。branchとは日本語で「枝」のことで、組織を木に例えた際に本社は幹であり、支社は枝をイメージするためです。「ブランチオフィス=支社」と覚えておけば良いでしょう。

ネットワークの構築費用を抑えたい理由

では、なぜ企業はブランチオフィスのネットワーク構築を安価にしたいのか、主に2つの理由が挙げられます。

1つ目は、ブランチオフィスを各地に設置した場合、各拠点にかけられる予算が分散するためです。単純に予算が少ないがために、少しでもネットワークの構築費用を抑える必要があります。

2つ目は、ブランチオフィスはあくまで支社であり、多くは小規模拠点であるため、大掛かりなネットワークは必要ないためです。広さも、社員数もそれほどないのに、大規模に構築しても持て余してしまいます。

ブランチオフィスには「サービス結合型ルータ」

ブランチオフィスのネットワークを安価に済ませたいとしても、だからといって性能の低い機器を導入するのはよくありません。必要な性能や機能があるのは前提として、かつ安価な機器を探すことがポイントです。

そこでおすすめしたいのは、Cisco(シスコ)のISR 1900シリーズのような「サービス統合型ルータ」です。

サービス統合型ルータとはルーティングからスイッチング、ワイヤレス、セキュリティ、WAN最適化など1台に複数の機能を備えたルータのことで、高性能なわりに比較的安価に導入できることが特徴です。

Cisco 1921 サービス統合型ルータの特徴

CISCO1921

先ほど紹介した通り、Cisco(シスコ)のISR 1900シリーズはサービス統合型ルータであり、ブランチオフィスのネットワーク構築におすすめのルータです。では、ISR 1900シリーズの特徴をご紹介します。

ギガビットイーサネットポートを2つ搭載

ISR 1900シリーズには、通信速度が1Gbpsのギガビットイーサネットポートが2つ搭載されています。以前の10/100Mbpsのイーサネットに比べ、1Gbps(1,000Mbps)のギガビットイーサネットは10倍の通信速度です。そのギガビットイーサネットが2つ搭載されていることで、より広範囲に高速ネットワークを構築できます。

拡張スロットにEHWICを採用

拡張スロットにEHWIC(ギガビット イーサネット拡張高速 WAN インターフェイス カード)が採用されているのも、ISR 1900シリーズの大きな特徴です。EHWICでは10/100/1000Mbps ギガビット イーサネット ポートをサポート、かつPoEに対応しているため1台で複雑なネットワークの構築や管理ができます。

※PoEとは、イーサネットの有線ケーブル(カテゴリ 5以上のUTPケーブル)で機器に給電できる技術です。

IEEE 802.11n 規格のワイヤレス内蔵

ISR 1900シリーズはサービス統合型ルータであるだけにワイヤレス アクセス ポイント内蔵です。「IEEE802.11n」規格に対応しており、周波数帯は2.4GHz/5GHzの2種類、最大通信速度は600Mbpsとワイヤレス(無線)としては高速。これ1台で有線から無線まで、様々な情報通信端末に対応できます。

※周波数帯は種類によって特徴が異なり、数字が大きいほど1度に運べるデータ容量が大きくなります。

製品紹介:CISCO1921/K9

CISCO1921/K9はCisco IOSに「IP Base」が採用されている機種です。IP Baseはブランチオフィス向けの構成ながら、ユーザごとにアクセス権を指定できる「ACL(アクセスコントロールリスト)」、イーサネットの通信の暗号化やデータチェックができる「MACsec」など高い性能を搭載したシステムになります。

  • Cisco IOS:IP Base
  • ギガイーサネット ポート:2
  • EHWIC:2
  • セキュリティ:-
  • 寸法:4.45 × 34.29 × 29.21 cm
  • 重量:6.30 kg

■CISCO1921/K9 製品特徴まとめ

  1. ブランチオフィス向けのCisco IOS「IP Base」を採用
  2. ユーザごとにアクセス権を付与する「ACL」に対応
  3. イーサネットの暗号化やデータチェックをする「MACsec」を搭載

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製品紹介:CISCO1921-SEC/K9

CISCO1921-SEC/K9はCisco IOSに「IP Base」さらに「SEC」を採用した機種です。SECとはSecurityのことで、IPセキュリティ機能をサポートするテクノロジーパッケージになります。IPセキュリティではIPパケット単位でデータチェックを行うことができ、データの改ざんの検知、通信の暗号化などができる機能です。

  • Cisco IOS:IP Base + SEC
  • ギガイーサネット ポート:2
  • EHWIC:2
  • セキュリティ:-
  • 寸法:4.45 × 34.29 × 29.21 cm
  • 重量:6.30 kg

■CISCO1921-SEC/K9 製品特徴まとめ

  1. Cisco IOSに「IP Base」に加えて「SEC」を採用
  2. IPセキュリティによりデータの改ざん検知や暗号化などが可能
  3. 大きめのハードカバー本ほどのサイズで省スペース

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製品紹介:C1921-AX/K9

C1921-AX/K9はCisco IOSに「IP Base」「SEC」の他、「APP」を採用した機種です。APP(Application Experience)には利用状況の識別をする「NBAR2」、モバイル端末での通信をネットワーク側で処理する「PMIPv6」などが含まれており、より高度なネットワークを構築するのに役立ちます。

また、C1921-AX/K9には紹介する3機種で唯一、アプリケーションでの通信を最適化・高速化する「WAAS(Wide Area Application Services)」に対応。Microsoft Office、Microsoft Exchange、Webアプリケーション(HTTP/HTTPS)などのアプリケーションをより快適な環境で使用できます。

  • Cisco IOS:IP Base + SEC + APP
  • ギガイーサネット ポート:2
  • EHWIC:2
  • セキュリティ:FW・WLC・VPN
  • 寸法:4.45 × 34.29 × 29.21 cm
  • 重量:6.30 kg

※FWはファイアウォール、WLCはアクセスポイント管理、VPNはプライベートネットワーク拡張です。

■C1921-AX/K9 製品特徴まとめ

  1. Cisco IOSに「IP Base」「SEC」の他、「APP」を採用
  2. 「WAAS」によりアプリケーションの通信の最適化・高速化
  3. FW・WLC・VPNなどより高度なセキュリティ環境を導入

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ブランチオフィスにはサービス統合型ルータがおすすめ

ブランチオフィス(支店)のネットワーク構築が抱える規模や予算の課題について、そして解決策としてCiscoのサービス統合型ルータ「ISR 1900シリーズ」とその機種をまとめてきました。

ここがポイント

  • ブランチオフィスは規模の小ささから予算にも限りがある
  • サービス統合型ルータであれば予算を抑えつつ機能を維持できる
  • ブランチオフィスにはCiscoのISR 1900シリーズがおすすめ

CiscoのISR 1900シリーズはギガビットイーサネットポートを2つ搭載、拡張スロットにEHWICを採用した高性能なルータです。なおかつ、中古市場であれば定価の半値以下で購入できることもあり、ブランチオフィスにおすすめのシリーズです。