大規模なネットワーク構築では、極めて大量のデータに効率良くアクセスするため、データ転送の中継地点としてのスイッチの役割が非常に重要になります。
事業規模が拡大して扱うデータ量が増大すると、スイッチの追加やシステム構築の見直しも必要となります。その際は個別のスイッチを複数設置するより、シャーシ型スイッチを組み合わせてシステム構築した方が、運用面でもコスト面でもはるかに効率的です。

システム構築をなるべく低コストに抑えたいなら、同じシャーシ型でも新品ではなく、Ciscoの中古シャーシ型スイッチCatalyst 4500E シリーズがおすすめです。周辺機器も含めて、この製品の魅力を詳しく紹介します。

■紹介する製品一覧

製品名 カテゴリ 訴求ポイント
Cisco Catalyst 4500Eシリーズ スイッチ 大規模ネットワークを、中古のスイッチで効率的に構築可能

シャーシ型スイッチとは?

大規模なネットワーク構成になると、効率的な運用のためにスイッチ類は階層構造でシステムを構築します。その中でネットワークの上層部を構成するのがシャーシ型スイッチで、1つのシャーシのスロットに、複数のモジュールを組み合わせることでシステム全体をコンパクト化できます。

Catalystスイッチは、Cisco社が提供するL2/L3スイッチの総称で、スロット部分にラインカードを挿入して、自在にインターフェイスを組み合わせることが可能です。そのため1つのシャーシ上に、多数のサーバーやスイッチを接続でき、コンパクトでしかも大規模なネットワークの構築が可能になります。

シャーシ型スイッチの構造は、電源部分を独立させた上で、スロット1に中央処理モジュールを搭載。スロット2からは機種に合わせて、複数のラインカードを挿入できます。これにより様々なインターフェイスに同時に対応できるほか、予備の電源や中央処理モジュールを搭載することで、万が一トラブルが起きてもシステム全体を安定的に稼働できます。

通常はシステムの耐障害性を考慮して、電源モジュールやスーパーバイザエンジンと呼ばれるモジュールは、1つのシャーシに複数台搭載されますが、その結果スイッチ全体でのコストは非常に高額になってしまいます。システム構築を考える上では、この点を検討する必要があるでしょう。

中古でも入手可能なCatalyst 4500E シリーズ

Catalyst 4500E シリーズ

シャーシ型スイッチによるネットワークシステムを、なるべく効率的に低コストで構築するためには、品質的にも信頼できる中古のスイッチを活用すると良いでしょう。
CiscoのCatalyst 4500E シリーズであれば、非常に状態の良い中古スイッチが入手可能です。

まず性能や機能面を紹介しますが、4500E シリーズには4タイプのシャーシがあり、いずれも電源モジュールやラインカードを柔軟に組み合わせることができます。
電源モジュールはシステムの構成によって選択可能で、障害時のサポートとして予備電源の追加も可能です。冷却ファントレイは複数のファンで構成されており、1つのファンが故障しても冷却能力を維持することができます。

CPUを備えたスーパーバイザエンジンは、データ通信容量に合わせて4種類から選べます。スロット1はスーパーバイザ専用で、スロット2からがラインカード用に設計されています。ラインカードは導入環境やLANアクセス数などの条件により、複数のカードを自由に組み合わせて多様なシステムを構築できます。

最大ポート数はタイプごとに違いますが、最も小型のWS-C4503-Eの場合は、ギガビットイーサネットで96、SRFで80、SPF+で24に設定されています。1スロットあたりのPoE最大給電能力は1500Wです。

■製品情報まとめ

  1. シャーシの種類は4タイプから選択可能
  2. スーパーバイザエンジンはデータ通信容量に合わせて4種類から選択可能
  3. スロット数はタイプごとに3~10から選択可能
  4. 最大9種類の電源モジュールから選択可能

製品紹介:WS-C4503-E

WS-C4503-EはCatalyst 4500E シリーズ中最もコンパクトなモデルで、スロットの構成は以下の仕様になっています。

  • 電源モジュール用スロット×2
  • スーパーバイザエンジン用スロット×1
  • ラインカード用スロット×2

対応するスーパーバイザエンジンは4種類で、6L-Eと6-Eの2種類が1スロットあたり24Gbpsに対応。8-E/7-Eと7L-Eの2種類が1スロットあたり48Gbpsに対応しています。
種類ごとにCPU性能やDRAM容量に違いがあるので注意が必要です。

サポートするラインカードは、ポート数6~48の間で様々なインターフェイスタイプを選択できます。対応できるポートはPoE IEEE 802.3af/at、ギガビットイーサネット(SFP)、10ギガビットイーサネット(SFP+)など、現在のシステム構成に必要なタイプはすべてサポートしています。

サポート電源の種類も用途に合わせて幅広く、データ専用の場合1000W~1400W対応の3種類。データとPoE共用の場合1300W~9000W対応の6種類から選択できます。

WS-C4503-Eシャーシは7RUの小型ラックユニットで、サイズは高さ31.12cm×幅43.97cm×奥行き31.70cm、重量はファントレイのみ搭載した状態で14.63kgと非常にコンパクトです。

■WS-C4503-E 製品情報まとめ

  1. 電源モジュールを除いたスロット数は3
  2. PoE IEEE 802.3af/at、SFP/SFP+に対応
  3. ラインカードの組み合わせで、様々なインターフェイスに対応
  4. 最大9種類の電源モジュールから選択可能

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製品紹介:WS-X45-SUP7-E

WS-C4503-Eシャーシにフィットするスーパーバイザエンジンとして、WS-X45-SUP7-Eの詳細を紹介します。シャーシ型スイッチの頭脳にあたる最も重要なモジュールであり、CPUはデュアルコア1.5GHzで、DRAMは2GBですが4GBにアップグレードが可能です。
WS-C4503-Eを含めた4種類のシャーシすべてに対応できます。

OSにはCisco IOS XEソフトウェアを採用して、常に最新の機能を維持できるように、継続的なバージョンアップを保証します。またCisco社製以外のアプリケーション、ユーザー自社内開発のアプリケーション、サードパーティアプリケーションなどを統合して、4500Eスイッチ上で一括して管理することも可能にします。

内部スイッチング容量は848Gbpsでスロットあたりの容量は48Gbpsと、ネットワーク内でのデータ処理能力としては、かなり余裕を持って設計されています。
インターネットプロトコルは、IPv4が256,000、IPv6が128,000のルーティングエントリに対応。データ処理能力は、スループットがIPv4の場合250Mppsで、IPv6の場合125Mppsを実現しています。

アップリンクも10ギガビットイーサネット×4と、1ギガビットイーサネット×1を備えてあるため、中規模企業~大企業から公的機関まで、幅広い環境で最適なシステムを構築することができます。
他にもクラス最高水準の復元力により、ネットワークの切断や停止を防止したり、様々な機能を自動化することで、高い効率でシステム運用の簡素化に成功しています。

■WS-X45-SUP7-E 製品情報まとめ

  1. CPUはデュアルコア1.5GHzで、DRAMは2GB
  2. Cisco IOS XEソフトウェアを採用
  3. 内部スイッチング容量は848Gbps(スロットあたり48Gbps)
  4. クラス最高水準の復元力でネットワークの切断や停止を防止

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製品紹介:PWR-C45-1000AC

Catalyst 4500E シリーズに対応する電源モジュールの中で、最も低出力タイプの電源がPWR-C45-1000ACです。Cisco IOSソフトウェアは、12.1(12c)EW以降に対応しており、Cisco Catalystオペレーティングソフトウェアは7.4(1)以降に対応しています。
データ専用電源モジュールのため、PoEサポートとIEEE802.3af準拠には対応していません。

入力電圧はAC100~240V、冗長モードでの出力電力は1000W+40W、コンバインモードでの出力電力は1667Wです。

■PWR-C45-1000AC 製品情報まとめ

  1. Catalyst 4500E 全シリーズに対応
  2. PoEサポートとIEEE802.3af準拠には非対応
  3. 冗長モードの出力電力は1000W+40W
  4. コンバインモードの出力電力は1667W

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製品紹介:PWR-C45-1300ACV

Catalyst 4500E シリーズに対応する電源モジュールの中で、PoE対応で最も低出力タイプの電源がPWR-C45-1300ACVです。Cisco IOSソフトウェアは、12.1(12c)EW以降に対応しており、Cisco Catalystオペレーティングソフトウェアは7.4(1)以降に対応しています。
PoEサポートは最大800Wで、IEEE802.3af準拠もサポートしています。

入力電圧はAC100~240V、冗長モードでの出力電力は1000W+40W(PoE最大800W)、コンバインモードでの出力電力は1667W(PoE最大1333W)です。
冗長モードでサポートされる受電装置数は、IEEE802.3afクラス2が106で、クラス0および3が48です。

■PWR-C45-1300ACV 製品情報まとめ

  1. Catalyst 4500E 全シリーズに対応
  2. PoEサポートとIEEE802.3af準拠に対応
  3. 冗長モードの出力電力は1000W+40W(PoE最大800W)
  4. コンバインモードの出力電力は1667W(PoE最大1333W)

PWR-C45-1300ACVの中古販売ページはこちら

大規模ネットワークはシャーシ型スイッチ

中規模~大規模なネットワークなら、低コストでハイレベルなシステム構築が可能なCisco Catalyst シャーシ型スイッチ4500E シリーズがおすすめです。
非常にコンパクトながら充実した機能と、様々なサポートシステムにより、効率的なネットワーク運営が可能になります。

ここがポイント

  • シャーシの種類は4タイプ、スロット数はタイプごとに3~10から選択可能
  • スーパーバイザエンジンはデータ通信容量に合わせて4種類から選択可能
  • ラインカードの組み合わせで、様々なインターフェイスに対応
  • 最大9種類の電源モジュールから選択可能

今回紹介したWS-C4503-E4は最もコンパクトなタイプですが、様々なネットワークに対応したスイッチ構成が可能です。
中古でも信頼性の高いスイッチを購入するなら、販売から保守まで安心のアイティープロダクトがおすすめです。