店舗や事務所など、小規模拠点にもネットワーク構築は欠かせません。しかし小規模拠点では予算や機器の設置場所、求められる機能や性能など様々な制約があります。例えば、予算を抑えて最低限の設備にしたためにセキュリティ対策が不十分になってしまう、ポート数が足りないなどが挙げられます。

ここでは、小規模拠点でのネットワーク構築に適したルータ「Cisco ISR 800 シリーズ」の特徴について紹介します。また、Cisco ISR 800 シリーズで紹介する3機種の性能比較も行います。

■紹介する製品一覧

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C819H-K94.39x19.56x20.57cm4FW/IPS/VPNu30b3u30f3u30d1u30afu30c8u304bu3064u4e08u592bu306au8a2du8a08
C881-K94.82x32.51x24.89cm5FW/VPNu7ba1u7406u3057u3084u3059u3044u4e2du592eu96c6u4e2du578b
CISCO881-SEC-K94.82x32.51x24.89cm5FW/IPS/VPNu9ad8u5ea6u306au30bbu30adu30e5u30eau30c6u30a3u6a5fu80fd

※ポート数は10/100BASE-Tポートを想定しています。
※FWはファイアウォール、IPSは不正侵入防止システム、VPNは仮想専用線です。

小規模拠点のネットワーク構築には制限がある

店舗や事務所など小規模拠点にもネットワーク構築は必要ですが、予算や設置場所、機能などの制限が多い傾向にあります。では小規模拠点にはどのような制限があるのか、具体的に考えていきましょう。

予算が限られている

拠点の規模はそのまま予算の幅に反映されることが多いです。つまり、小規模拠点は中・大規模拠点に比べると予算は少ないのが一般的で、それによりネットワーク構築にかけられる費用にも制限がかかります。予算が足りないために求めるネットワークの規模、設備の性能を実現できない可能性があるわけです。

機器の設置場所があまりない

ネットワーク構築ではモデムやルータ、ハブ(HUB)やLAN配線(有線ケーブル)など様々な機器の設置、配線の敷設をします。Wi-Fi(無線)を飛ばすのなら、無線LANの機器も必要でしょう。しかし、小規模拠点では機器の設置場所があまりないため、そもそも大規模なネットワーク構築が難しいことも多いです。

求める機能が見つかりにくい

少しでも予算を抑えたいのなら、ネットワーク構築に求める機能を絞るのがおすすめです。しかし、メーカーや機種によって搭載されている機能や性能は様々で、必ずしも求める機能だけが見つかるとは限りません。だからといって、不要な機能に目をつむってしまえば、予算や規模は大きくなってしまいます。

Cisco ISR 800 シリーズの特長

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Cisco ISR 800 シリーズは小規模拠点や在宅勤務を想定して設計されたルータです。1台でルーティングからスイッチング、ワイヤレスなど様々なサービスに対応、かつ同シリーズの機種はどれもコンパクトに設計されているため場所を取りません。また、これらの他にもCisco ISR 800 シリーズには注目したい特長があります。

Cisco IOS ユニバーサル イメージ搭載

Cisco ISR 800 シリーズではソフトウェアに「Cisco IOS ユニバーサル」を採用しています。これはIP BaseやAdvanced Security、Advanced IP Servicesなどの基本機能の他、必要な機能をライセンスとして追加できるサービスです。必要になったときに機能を追加できるため、最初の導入費用を抑えられます。

マネージド スイッチ内蔵

ネットワーク上の機器同士の通信を制御するスイッチの動作変更、管理ができる「マネージド スイッチ」も内蔵しています。ネットワークを運用していると、様々な原因からダウンタイム(システムが停止した状態)のような問題が発生しますが、マネージド スイッチではこれら問題に効果的な対応が可能です。

IEEE 802.11n 規格対応ワイヤレス

本来、Wi-Fiを飛ばすには別で無線LANの機器が必要ですが、Cisco ISR 800 シリーズは「IEEE 802.11n 規格」のワイヤレスを内蔵しているため、1台で有線・無線の両方に対応しています。

また、IEEE 802.11nは障害物に強い2.4G帯、電波干渉が少ない5GHz帯と2種類の周波数帯に対応しています。小規模拠点のようなどうしても障害物が多くなりやすい環境においても安定した通信が可能です。

3G ワイヤレス WAN 対応

Cisco ISR 800 シリーズは携帯電話の通信にも採用されている「3G ワイヤレス WAN」に対応しています。これはWi-Fiよりも広範囲かつ安全性の高い通信方式とされており、Wi-Fi(IEEE 802.11n)と3G ワイヤレス WANを併用することで環境や機器に左右されないネットワーク構築が可能です。

Cisco ISR 800 シリーズのおすすめ機種3選

Cisco ISR 800 シリーズは多機能かつコンパクト設計、さらにワイヤレスでも安定した通信環境が特長のルータです。ただ、Cisco ISR 800 シリーズにもいくつか機種があるので、ここではおすすめ3機種を比較します。

製品紹介:C819H-K9

ご紹介する3機種の中では最小サイズのルータです。外寸で4.39×19.56×20.57cmと、大きめのハードカバー本くらいのサイズなので、小規模拠点のような設置場所が限られている環境でも問題なく導入できます。

また、最大3.7Gbpsの高速ワイヤレスWANにも対応。効率的な放熱性能、低消費電力を想定した設計もされており、コンパクト設計ながらパワフルかつ丈夫、省エネなルータとして小規模拠点におすすめの機種です。

■C819H-K9 製品特徴まとめ

  1. Cisco IOSにはAdvanced Securityを採用
  2. ポート数はLAN 10/100BASE-T が4つ
  3. 寸法が4.39×19.56×20.57cmと紹介する3機種では最小
  4. セキュリティはFW・IPS・VPNの主に3つ

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製品紹介:C881-K9(CISCO881-K9)

小規模拠点向けのルータながらLANポートを4つ、WANポートを1つの計5ポートを搭載。有線だけでなく安全性の高い無線LANにも対応していることから、中規模拠点までであれば十分なネットワーク構築ができます。

また、中央集中型の管理機能を採用しており、小規模からスタートして少しずつ規模を拡大した際にも管理がしやすいため、大企業が小規模のブランチオフィスを展開するのにも適しているサービス統合型ルータです。

■C881-K9 製品特徴まとめ

  1. Cisco IOSにはAdvanced Securityを採用
  2. ポート数はLAN 10/100BASE-Tが4つ、WAN 10/100BASE-Tが1つ
  3. 中央集中型の管理機能により管理がしやすい
  4. セキュリティはFW・VPNの主に2つ

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製品紹介:CISCO881-SEC-K9

Ciscoの提供する「Advanced IP Services」、DMVPN(ダイナミック マルチポイント VPN)やIPS、コンテンツフィルタリングなど、C881-K9以上に高度なセキュリティ機能を搭載したセキュリティ対応ルータです。

また、音声通話時に発生しやすい音声トラフィック(情報伝達)の遅延を軽減するLLQ(低遅延キューイング)にも対応。離れた拠点間でも安定したTV電話ができるため、多店舗展開での導入にも適しています。

※Advanced IP Servicesとは、IPサービスやDMVPNなどが追加された高度なオペレーティングシステムです。
※コンテンツフィルタリングとはネットワーク上の情報を監視、必要に応じて接続を拒否・遮断する技術です。

■CISCO881-SEC-K9 製品特徴まとめ

  1. Cisco IOSにはAdvanced IP Servicesを採用
  2. ポート数はLAN 10/100BASE-Tが4つ、WAN 10/100BASE-Tが1つ
  3. 寸法が4.82×32.51×24.89cmとコンパクト設計
  4. セキュリティはFW・IPS・VPNの主に3つ

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2019年現在も現役のルータが中古でも購入可能

小規模拠点がネットワーク構築に抱える予算・場所・機能などの課題。それら課題を解消してくれる小規模拠点向けのルータ「Cisco ISR 800 シリーズ」の特長、おすすめ機種3選の比較について触れてきました。

ここがポイント

  • 小規模拠点は予算や場所、機能などに制限がつきやすい
  • コンパクトかつ多機能なルータを選べばおよそ解決できる
  • 小規模向けにも違いはあるため比較してから選ぶのが良い

ちなみに、Cisco ISR 800 シリーズはどれも小規模向けに設計されているためコンパクト、かつルーティングやスイッチング、ワイヤレスなど様々な機能を搭載した多機能ルータです。また、紹介した機種はどれも小規模向けでありながら個々に特長があるので、ネットワーク構築をする際にはぜひ比較検討してみてください。