総務省の発表によると、2017年時点での情報通信機器の保有率はスマートフォンが75.1%、タブレットが36.4%。これらスマートデバイスを含めたモバイル端末全体では94.8%でした。
誰しも1台はスマホまたはタブレットを保有している現代において、拠点のワイヤレス化はごく一般的な流れです。しかし、中にはまだワイヤレス非対応の拠点も数多く存在します。

この記事では、ワイヤレス対応にするメリット、中規模拠点のワイヤレス対応化におすすめなCiscoの「Catalyst 3650 シリーズ」の特徴とおすすめ機種3選をご紹介します。

■紹介する製品一覧

u88fdu54c1u540dCisco IOSu8a34u6c42u30ddu30a4u30f3u30c8
WS-C3650-24TS-LLAN BaseLAN Baseu306fu30ecu30a4u30e4u30fc3u306bu5bfeu5fdcu3057u3066u304au308au3001u5c0fu898fu6a21u62e0u70b9u306eu8a2du7f6eu306bu5411u3044u3066u3044u308b
WS-C3650-24TS-SIP BaseMACsecuff08MAC securityuff09u306bu3088u308au5b89u5168u306au901au4fe1u74b0u5883u3092u78bau4fddu3057u3084u3059u3044
WS-C3650-24TS-EIP Servicesu30deu30ebu30c1u30adu30e3u30b9u30c8u306bu3088u308au30cdu30c3u30c8u30efu30fcu30afu8ca0u8377u3092u8efdu6e1bu3057u3001u901au4fe1u304cu5b89u5b9au3057u3084u3059u3044

ネットワーク環境をワイヤレス対応にするメリット

ワイヤレス対応とは、Wi-Fiなどの電波を利用して通信するネットワーク環境のことです。今では駅やコンビニ、カフェなど街中いたるところでワイヤレス対応されており、生活やビジネスに役立てられています。

電波が届けば端末に縛りがない

ワイヤレス(無線)ではWi-Fiや4Gなどの電波を利用して通信するため、その電波に対応しているのなら端末に縛りはありません。
パソコンだけでなくスマホやタブレットなどのスマートデバイス、複合機や防犯カメラなどその他周辺機器もまた、ワイヤレス環境でネットワーク接続が可能です。

配線不要なのでレイアウトが自由

ワイヤレス環境の範囲内であればどこでもメールの返信、サーバー内の資料の閲覧・編集、さらにクラウドサービスなどの活用ができます。
つまり、配線不要なので目的に合わせて拠点のレイアウトを変更することや、「フリーアドレス制」にして社員間のコミュニケーションの活性化を図ることができるのです。

※フリーアドレス制とは自由な座席で仕事ができるというもので、社員間のコミュニケーションの活性化に効果があるとして様々な企業に採用されている制度です。

通信状況も十分に安定している

これまでのワイヤレス通信は有線通信に比べて通信状況が安定しづらく、速度も遅くなりがちなイメージから、主に有線通信の補助として用いられてきました。

しかし、現在ではIEEE802.11ac/11ad/11axなど周波数帯が5GHz以上、最大通信速度が6.8Gbps以上の通信規格も登場しており、通信状況は十分に安定しています。

Catalyst 3650はマルチギガビットに対応。高速通信が可能

WS-C3650

無線LAN機器を導入すれば拠点をワイヤレス対応にできるわけですが、ここでひとつ問題があります。既存のケーブルが高速通信に非対応のままでは、ワイヤレス環境にした際に通信速度が落ちてしまうのです。

もちろん、ケーブルを含めたすべてのネットワーク機器を高速対応に切り替えれば解決します。しかし、それには多くの設備投資が必要で、小規模・中規模拠点では予算の面から難しいこともあるわけです。

そこでおすすめするのは、既存のケーブルのまま高速通信を可能にするCiscoのスイッチ「Catalyst 3650」です。

既存のケーブルでも1Gbps以上の通信速度にできる

Catalyst 3650シリーズは「Cisco Catalyst Multigigabit テクノロジー」により、複数の周波数を重ねることで大容量データ通信、さらに高速通信を可能にする「802.11ac Wave 2」対応のスイッチです。既存のケーブル(カテゴリ 5e/6)でも1・2.5・5・10Gbpsまでの速度をサポートしています。

最大50台のワイヤレス アクセス ポイントを管理できる

Catalyst 3650シリーズはワイヤレス コントローラ機能を搭載した、スタッカブルハブ L2/L3 固定構成型スイッチです。内蔵されるコントローラ機能により、最大50台までのワイヤレス アクセス ポイントの管理ができ、このスイッチ1台で小規模から中規模拠点までのワイヤレス化に対応できます。

※スタッカブルハブとは、複数台のハブ(HUB)を積み重ねたネットワーク機器です。

製品紹介:WS-C3650-24TS-L

WS-C3650-24TS-LはCatalyst 3650シリーズでも小規模向けのスイッチです。Cisco IOSに「LAN Base」を採用しており、同一のスイッチ(ハブ)に直接接続されている端末間でのみ情報のやりとりができます。

また、2つのポートのうちひとつをアクティブリンク(主)に、もう片方をバックアップリンク(副)にできるため、何らかの理由でアクティブリンクが機能しない際には、バックアップリンクから通信が可能です。

WS-C3650-24TS-Lの基本構成を以下にまとめています。

  • ワイヤレススループット:20Gbps
  • ダウンリンク(イーサネット 10/100/1000) ポート:24
  • アップリンク(1 ギガビット SFP) ポート:4
  • Cisco IOS:LAN Base
  • 最大VLAN数:255
  • 電源の二重化:対応

※ワイヤレススループットとは、回線やルータの性能(主に通信速度)を表す指標です。
※VLANとは、ネットワークを仮想的に分割することで、情報のやり取りを管理できるシステムです。

■WS-C3650-24TS-L 製品特徴まとめ

  1. Cisco IOSには小規模拠点向きの「LAN Base」に対応
  2. イーサネット 10/100/1000 ポートは24、1 ギガビット SFP ポートは4
  3. 電源の二重化により電源モジュールの故障などのリスク軽減

WS-C3650-24TS-Lの中古販売ページはこちら
WS-C3650-24TS-Lのレンタルはこちら

製品紹介:WS-C3650-24TS-S

WS-C3650-24TS-Sは中規模拠点に向いているスイッチです。Cisco IOSにレイヤー3に対応した「IP Base」が採用されており、複数のルータによって構築される複雑なネットワークでの情報通信を可能にしています。

さらに、先ほど紹介したWS-C3650-24TS-Lとは異なり、イーサネット通信の暗号化をする「MACsec(MAC security)」の設定が可能。ユーザデータの暗号化、データチェックにより安全な通信環境を確保できます。

WS-C3650-24TS-Sの基本構成を以下にまとめています。

  • ワイヤレススループット:20Gbps
  • ダウンリンク(イーサネット 10/100/1000) ポート:24
  • アップリンク(1 ギガビット SFP) ポート:4
  • Cisco IOS:IP Base
  • 最大VLAN数:4094
  • 電源の二重化:対応

■WS-C3650-24TS-S 製品特徴まとめ

  1. Cisco IOSには中規模拠点向きの「IP Base」に対応
  2. MACsec(MAC security)により安全な通信環境を確保
  3. 電源の二重化により電源モジュールの故障などのリスク軽減

WS-C3650-24TS-Sの中古販売ページはこちら
WS-C3650-24TS-Sのレンタルはこちら

製品紹介:WS-C3650-24TS-E

WS-C3650-24TS-Eは中規模から大規模拠点まで対応できるスイッチです。Cisco IOSにはIP Baseの上位版である「IP Services」を採用。効率的なコントローラ機能と安心のセキュリティ性能を備えています。

また、紹介する3機種の中で唯一「マルチキャスト」に対応しており、ネットワーク上の複数の情報通信端末に対して同時にデータ送信が可能です。これによりネットワーク負荷は軽減し、安定した通信が期待できます。

WS-C3650-24TS-Eの基本構成を以下にまとめています。

  • ワイヤレススループット:20Gbps
  • ダウンリンク(イーサネット 10/100/1000) ポート:24
  • アップリンク(1 ギガビット SFP) ポート:4
  • Cisco IOS:IP Services
  • 最大VLAN数:4094
  • 電源の二重化:対応

■WS-C3650-24TS-E 製品特徴まとめ

  1. Cisco IOSには中規模から大規模拠点向きの「IP Services」に対応
  2. マルチキャストによりネットワーク負荷を軽減し、安定した通信ができる
  3. 電源の二重化により電源モジュールの故障などのリスク軽減

WS-C3650-24TS-Eの中古販売ページはこちら
WS-C3650-24TS-Eのレンタルはこちら

Catalyst 3650でワイヤレスネットワークに対応しましょう

この記事で、拠点のネットワークをワイヤレス対応にするメリットと、既存のケーブル(カテゴリ 5e/6)のままワイヤレス環境を高速化できるCiscoのスイッチ「Catalyst 3650シリーズ」をまとめました。

ここがポイント

  • ワイヤレスならスマホやタブレットでも通信できる
  • 自由なレイアウトやフリーアドレス制を導入できる
  • ワイヤレスでも1Gbps以上の高速通信は十分に可能

ちなみに、紹介したCatalyst 3650シリーズはどれも既存のケーブルのまま1Gbps以上の高速ワイヤレス通信を可能にするスイッチです。今後、拠点のワイヤレス対応化を進める際には、ぜひCatalyst 3650シリーズも検討してみてください。