突然の事故や障害で社内ネットワークが繋がらなくなると、業務に支障が出てしまう場合もあります。
このようなトラブルを対処するには、予備設備を準備して障害が発生してもネットワークを利用できるようにする「ネットワークの冗長化」がおすすめです。
Ciscoの中古ルータは低予算で冗長化を実現できます。
ここでは社内ネットワークが繋がらない原因と対策、Ciscoの中古ルータを活用したトラブル対策方法、おすすめ機種を紹介しますのでぜひ参考にしてください。
目次
ルータの動きが悪い場合に起きる症状と原因
社内ネットワークが繋がらない……考えたくもないトラブルですが意外と起こりえます。社内ネットワークが繋がらなくなる主な原因として、「有線ケーブル」か「ルータ」のトラブルがあります。
有線ケーブルが断線している場合
社内ネットワークとはルータ、パソコンや複合機などの機器同士を有線ケーブルや無線LANで接続したネットワークのことで、通信環境やセキュリティ面から、有線ケーブルを主体に構成されるのが一般的です。
しかし有線ケーブルには断線する可能性があり、椅子で踏むだけで断線することは珍しくありません。当然、断線すれば通信はできなくなり、社内ネットワークは繋がらなくなります。
有線ケーブルが原因で社内ネットワークが繋がらない場合、ルータなど他の機器の動作に異常は見られません。そのため、繋がらなくなったネットワーク部分に関係する有線ケーブルを交換すれば解決します。
ルータそのものに問題がある場合
ルータとは機器間のデータ通信を中継する通信機器です。ここに問題が発生すると社内ネットワークは繋がらなくなるのですが、ルータは精密機器なので何年も使用しているといつかは壊れてしまいます。
電源モジュールが故障すれば電源そのものが入らなくなりますし、CPUに異常があれば動作が不安定になります。例えば、以下のような症状が現れている場合は、CPUが原因である可能性が高いです。
- Telnet(遠隔用の通信プロトコル)の応答が遅い
- コンソールの応答が遅い、もしくは反応しない
- ping(地点間の到達確認ソフトウェア)の応答が遅い
- ルータがルーティングアップデートをしない
ネットワークの一部に問題があれば、正常な機器と取り替えることで、その違いがはっきりとします。同様に、もしルータに問題があるのなら、ルータを新しいものに取り替えることで解決できます。
※ルータは修理もできますが、何年も使用しているのであれば、買い替えの方がお得な場合も多くあります。
中古のCiscoルータは価格が安いため複数購入がしやすい
社内ネットワークが繋がらないときは、まず有線ケーブルを確認し、次にルータを疑いましょう。そして、ルータに問題があれば取り替えるのですが、ここではCiscoの中古ルータ、それも複数購入をおすすめします。
Cisocoルータの新品と中古価格を比較
Ciscoは世界最大のネットワーク機器メーカーですので、安心の性能と機能を兼ね備えています。さらに、適切に整備・保管されているものであれば、中古ルータでも問題なく動作しますし、新品(定価)よりも安く手に入ります。
例えば、Cisco製品を豊富に取り扱っている販売店「アイティープロダクト」を確認してみましょう。
u30b7u30eau30fcu30ba | u65b0u54c1uff08u5b9au4fa1uff09 | u4e2du53e4 | |
---|---|---|---|
C891FJ-K9 | ISR 800 | 132,580u5186 | 18,000u5186 |
CISCO2951/K9 | ISR 2900 | 1,319,180u5186 | 68,000u5186 |
CISCO3945E/K9 | ISR 3900 | 2,988,130u5186 | 298,800u5186 |
ISR4431-AX/K9 | ISR 4000 | 1,599,000u5186 | 690,000u5186 |
※価格はすべて税別
上記の比較表からも分かる通り、Ciscoのルータは新品(定価)では100万円以上する機種も数多くラインナップされています。しかし、中古になると定価の半値以下、アイティープロダクトに限れば10分の1以下とかなりお得な場合もあります。
中古は安いので複数購入という選択も
いくら中小ルータが低価格でも「新品を購入した方が安心できるのでは?」という意見もあると思います。しかし、新品も1年使用すれば中古と同じですし、何よりも新品のルータでは価格の高さから定期的に買い換えるのは大変です。
その点、中古ルータであればCisco製品でもお得に購入できるため、定期的に買い換えることはもちろん、バックアップ用に複数台購入して社内ネットワークに組み込むという方法(VRRP)もできます。
複数の中古ルータを使ったVRRPによる冗長化
社内ネットワークが繋がらない場合、問題のルータを取り替えるだけでも良いのですが、複数台のルータでネットワークを冗長化(VRRP)する方法がおすすめです。では、どうしてVRRPが効果的なのでしょうか。
VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)とは?
VRRPとは、同一のネットワーク上(ルート上)に複数台のルータを配置し、ひとつのネットワークとして運用するための通信プロトコルです。
もともと複数台のルータを使用したネットワークの冗長化の技術は、Ciscoが開発した通信プロトコル「HSRP(Hot Standby Routing Protocol)」しかなく、当時はCisco製品同士でしか組み合わせられませんでした。
それを、IETF(インターネット技術特別調査委員会)がRFC2338として標準化したのがVRRPです。Cisco以外の様々なメーカー製品同士を同じネットワーク上で組み合わせて冗長化できるのが最大の特徴です。
複数のルータで冗長化すればリスク対策がしやすい
例えば、ネットワーク上に2台のルータA(メイン)とルータB(バックアップ)を配置したとします。何らかの原因でルータAに異常が発生しても、ルータBに問題がなければネットワークとしては正常に機能できます。
もし、ネットワーク上にルータが1台しかなかったら、社内ネットワークが繋がらない事態になっていたわけですから、ネットワーク上に複数台のルータを配置して冗長化するのはリスク対策に効果的なのです。
トラブルに強い中古ルータはISR 4000シリーズがおすすめ
社内ネットワークを複数台のルータで冗長化すると、社内ネットワークが繋がらないリスクを減らせることを上記で説明しました。最後に、ネットワークの冗長化におすすめなCisco ISR 4000シリーズを紹介します。
ISR 4000シリーズの「ISR4331-SEC/K9」を紹介
Cisco ISR 4000シリーズは、小規模から大規模拠点までカバーできるサービス統合型ルータです。ルーティングだけでなく、スイッチングやワイヤレス、セキュリティなど様々な機能に対応しています。さらに、各機能がハードウェアレベルで分離機能しているため、負荷のかかる環境でもタフに機能するのが特徴です。
ちなみに、Cisco ISR 4000シリーズの中でもおすすめする製品が「ISR4331-SEC/K9」になります。
ISR4331-SEC/K9 | |
---|---|
Cisco IOS | IP Base + SEC |
u30b9u30ebu30fcu30d7u30c3u30c8uff08u30c7u30d5u30a9u30ebu30c8 / u6700u5927uff09 | 200Mbps/400Mbps |
u30ddu30fcu30c8u6570uff08u30aeu30acu30d3u30c3u30c8u30a4u30fcu30b5u30cdu30c3u30c8 /SFP uff09 | 3 |
u62e1u5f35u30b9u30edu30c3u30c8uff08 NIM/SM-X/PVDM uff09 | 3/2/1 |
u96fbu6e90 | u5185u90e8AC |
u30e9u30c3u30afu30deu30a6u30f3u30c8 | 2 RU |
「ISR4331-SEC/K9」に買い換えるメリット
処理速度がデフォルトで200Mbps、最大で400Mbpsと一般的なクラスのルータと比較して高速。銅線や光ファイバーなど多数のLANケーブルの規格に対応したSFPポートを3つ搭載し、拡張スロットも採用しているため中規模拠点までならば十分に満足できる性能です。
また、コンピュータ専用の棚(ラック)に積み重ねて設置できるようラックマウントにも対応しており、かつ内部AC電源により電源ユニットがコンパクトに整理しやすいので、複数台のルータを使用したネットワークの冗長化もしやすい機種となっています。
■ISR4331-SEC/K9 製品特長まとめ
- ラックマウントで複数台のルータを整理しやすい
- 内部AC電源で電源ユニットが邪魔になりにくい
- 拡張スロット搭載で幅広いニーズに対応できる
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社内ネットワークの冗長化でリスク対策しておこう
この記事では、社内ネットワークが繋がらない原因として有線ケーブルの断線やルータの不具合について説明しました。Ciscoの中古ルータを使用した、ネットワークの冗長化によるリスク対策についてまとめます。
- 社内ネットワークが繋がらないときは有線ケーブルとルータを確認する
- Ciscoの中古ルータなら新品(定価)よりもお得に買い換えられる
- 社内ネットワークは複数台のルータで冗長化してリスク対策するべき
ちなみに、今回は多機能かつタフな機種としてCiscoの「ISR4331-SEC/K9」をおすすめしましたが、Ciscoには他にも拠点の規模や用途に合わせた様々な機種があります。そして、中古市場であればそれらCiscoのルータをお得に手に入れられるので、ぜひ検討してみてください。