シスコシステムズ(以下、Cisco)は世界最大のネットワーク機器メーカーで、スイッチやルータは中古市場でも人気です。しかし、その種類の豊富さから各製品のスペックの比較がしづらくもあります。
そこでおすすめしたいのが、「Cisco製品の型番の見方を把握すること」です。Cisco製品は型番におよそのスペックが反映されているため、型番の見方さえ知っていればスペックの比較がしやすいのです。
今回は、Ciscoの中古スイッチやルータの型番の見方を紹介します。中古製品の中でも人気なものに絞って型番の見方をまとめていますので、Cisco製品を選ぶときの参考にしてみてください。
目次
中古Cisco製品の型番が複雑で見方が分からない
Cisco製品のルータやスイッチは中古市場でも人気なのですが、種類の豊富さと型番の複雑さにより、初心者の方は選びにくいかもしれません。では、どれほど種類が豊富なのか、各製品の型番が複雑なのか見ていきましょう。
中古製品ラインナップが多い
例えば、国内外の様々なメーカーの中古品を取り扱う「アイティープロダクト」では、Cisco製品のルータやスイッチだけ50種類以上のシリーズ、さらにシリーズごとに数機種が提供されており種類は豊富です。
Cisco製品のルータやスイッチはそれだけ中古市場でも流通量が多く、種類も豊富で人気なのでしょう。しかし、選択肢が多いためスペックの比較は難しく、適切な機種を選びづらいのが難点です。
各製品で型番の見方が違う
Cisco製品は型番におよそのスペックが反映されているので、型番の見方さえ把握すればスペックを比較できます。ただし、その型番さえCiscoでは製品ごとに見方が異なるため、すべてを覚えるのは大変です。
例えば、Ciscoのスイッチ「WS-C 2960 S-24 T S-L」と「WS-C 4507 R+E」を比較してみると、型番の長さが違いますし、各アルファベット・数字の意味もところどころ異なるため、同じ見方では比較できません。
中古Ciscoスイッチ製品の型番の見方
先述したように、Ciscoでは各製品で型番の見方が異なるため、すべてを把握するのは難しいかもしれません。そこで、中古のCisco製品からおすすめスイッチとして2000番台と3000番台の型番の見方を説明します。
2000番台の型番の見方
Ciscoのスイッチ製品「WS-C 2960 S-24 T S-L」を例に型番の見方を以下にまとめました。
WS-C 2960 S-24 T S-L | 見方 | |
---|---|---|
シリーズ番号 | 2960 | 4桁の数字 |
モデルの種類 | S | C:コンパクトモデル |
PD:PoE受電対応モデル | ||
+:FEモデル | ||
GE:GEモデル | ||
S-F:スタック対応FEモデル ※1 | ||
S:スタック対応GEモデル ※1 | ||
X:スタック対応GEモデル ※1,2 | ||
XR:電源二重化/スタック対応GEモデル | ||
ポート数 | 24 | 8/12/24/48の4パターン |
ダウンリンク ポート | T | T:データ専用ポート |
L:PoE給電対応ポート(8ポートで15.4Wフル給電) | ||
P:PoE給電対応ポート(24ポートで15.4Wフル給電)※3 | ||
LP:PoE給電対応ポート(24ポートで15.4Wフル給電) | ||
FP:PoE給電対応ポート(48ポートで15.4Wフル給電) | ||
アップリンクポート | S | Q:GEポート |
T:GEポート | ||
C:GE/SFPポート | ||
S:SFP モジュール スロット | ||
D:SFP/SFP+モジュール スロット | ||
Cisco IOS | L | S:LAN Lite |
LまたはLL:LAN Base | ||
I:IP Lite |
※1 LAN Lite モデルはスタック非対応。
※2 WS-C2960X-24PSQ-L は非対応。
※3 コンパクトスイッチは8ポートで15.4Wフル給電。
3000番台の型番の見方
Ciscoのスイッチ製品「WS-C 3560 C-12 P C-S」を例に型番の見方を以下にまとめました。
WS-C 3560 C-12 P C-S | 見方 | |
---|---|---|
シリーズ番号 | 3560 | 4桁の数字 |
モデルの種類 | C | C:新コンパクトモデル |
PD:PoE受電対応モデル | ||
G:GE モデル ※4 | ||
X:Cisco XPS 2200 対応モデル | ||
ポート数 | 12 | 8/12/24/48の4パターン |
ダウンリンク ポート | P | T:データ専用ポート |
P:PoE給電対応ポート(24ポートで15.4Wフル給電)※5 | ||
PF/F/PW:PoE給電対応ポート(48ポートで15.4Wフル給電) | ||
U:UPoE給電対応ポート | ||
S:SFP モジュールスロット | ||
アップリンク ポート | C | 記載なし:アップリンク ポート非搭載(オプション)※6 |
T:GEポート | ||
C:GE/SFPポート | ||
S:SFP モジュール スロット | ||
D/Q:SFP/SFP+モジュール スロット | ||
Cisco IOS | S | S:LAN Lite |
LまたはLL:LAN Base | ||
I:IP Lite |
※4 WS-C3560CPD-8PT-S のみ例外でギガビットイーサネット対応。
※5 コンパクトスイッチは8ポートで15.4Wフル給電。
※6 Cisco Catalyst 3560-X/3750-X シリーズ用ネットワークモジュールまたは Cisco Catalyst 3850 シリーズ用ネットワークモジュールが必要。
中古Ciscoルータ製品の型番の見方
Cisco製品のルータISRシリーズは「サービス統合型ルータ」と呼ばれ、1台でルータやスイッチ、セキュリティなど様々なサービスセキュリティ気です。では、おすすめ番台の型番の見方をご説明します。
800番台の型番の見方
Ciscoのスイッチ製品「CISCO 861 W-GN-P-K9」を例に型番の見方を以下にまとめました。
CISCO 861 W-GN-P-K9 | 見方 | |
---|---|---|
シリーズ番号 | 861 | 3桁の数字 |
モデルの種類 | W | H:耐久型モデル |
G:3G ワイヤレス WAN モデル | ||
VA:xDSL ポート搭載モデル | ||
W:ワイヤレス モデル | ||
-V:音声ゲートウェイ モデル | ||
F:SFP モジュール スロット搭載モデル | ||
対応無線規格 | GN | A:IEEE 802.11a 規格に対応 |
G:IEEE 802.11b/g 規格に対応 | ||
N:IEEE 802.11n 規格に対応 | ||
暗号化 | PK | Cisco ISR 800 シリーズはすべて対応 |
1900/2900/3900/4400番台の型番の見方
Ciscoのスイッチ製品「CISCO 1941 W-P/K9」を例に型番の見方を以下にまとめました。
CISCO 1941 W-P/K9 | 見方 | |
---|---|---|
シリーズ番号 | 1941 | 4桁の数字 |
モデルの種類 | W | W:ワイヤレス モデル |
E:サービス パフォーマンス強化モデル | ||
バンドル | P | SEC:Cisco IOS SEC ライセンス |
P:ワイヤレス アクセス ポイント モジュール | ||
V:Cisco IOS UC ライセンス | ||
高密度パケット音声/ビデオ DSP モジュール | ||
CME-SRST:Cisco IOS UC ライセンス | ||
Cisco Unified CME またはSRS ライセンス | ||
高密度 パケット音声/ビデオ DSP モジュール | ||
AX ※1:Cisco IOS SEC ライセンス | ||
Cisco IOS APP ライセンス | ||
暗号化 | K9 | Cisco ISR 1900/2900/3900/4400 シリーズはすべて対応 |
※1 Cisco ISR 4400 シリーズはCisco IOS IP Base、Cisco 1941/2901 プラットフォームDRAM(2.5 GB)をバンドルポート。
【実践】中古Cisco製品の型番からスペックを把握する
中古に限らず、Cisco製品は型番に表記されるアルファベット・数字からおおよそのスペックを把握できます。では、先ほどご説明した型番の見方を参考にしつつ、スイッチとルータのスペックを確認してみましょう。
Ciscoスイッチ製品「WS-C2960S-24PS-L」
「WS-C 2960 S-24 P S-L」の型番から分かるスペックを以下にまとめました。
- モデルの種類:S…スタック対応GEモデル
- ポート数:24
- ダウンリンクポート:P…PoE給電対応ポート
- アップリンクポート:S…GEポート
- Cisco IOS:L…LAN Base
「WS-C2960S-24PS-L」はダウンリンクがPoE給電対応ポートで電源の限られる場所でも使用可能、かつ従来モデルより省電力設計。さらに、VLANが255と大規模ネットワークにも対応した高性能スイッチです。
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Ciscoルータ製品「CISCO1921-SEC/K9」
「CISCO 1941 W-P/K9」の型番から分かるスペックを以下にまとめました。
- モデルの種類:W…ワイヤレスモデル
- バンドル:SEC…Cisco IOS SEC ライセンス
- 暗号化:Cisco ISR 1900/2900/3900/4400 シリーズはすべて対応
「CISCO 1941 W-P/K9」は1台でルータやスイッチ、セキュリティ、ワイヤレスなど様々なサービスに対応したCiscoの第2世代サービス統合型ルータです。特に、FW/IPS/VPNとセキュリティ関係を強化した安心のルータといえます。
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主要な製品の型番の見方から把握するのが良い
今回、Ciscoのルータやスイッチの型番の見方をご説明してきました。Ciscoには様々な製品があり、中古市場でも人気のメーカーなのですが、各製品で型番の見方が微妙に異なるのが難点です。
- Ciscoは製品ごとに型番の見方が異なる
- 型番の見方を把握すればスペックを比較しやすい
- 主要な型番の見方さえ知っておけば十分
ちなみに、型番の見方だけではスペックの比較がしづらい、どのルータやスイッチを選べば良いか分からないときには、ぜひ「アイティープロダクト」に相談してみましょう。Ciscoの中古製品を幅広く取り扱っているので、ネットワークの規模や目的に最適な製品をご提案いたします。