多様な働き方により人材確保が流動的となった今日、利用人数の増加からオフィス移転をする機会も増えてきました。同時に、社内ネットワークの再構築が求められますが、移転のたびにネットワーク機器を買い足していたのでは費用がかかりすぎます。

そこでご提案したいのが、中古ネットワーク機器のレンタルです。機器を購入しないため大掛かりな費用はかからず、必要な規模の設備のみ準備できます。今回、社内ネットワーク構築をする方法として、Ciscoの中古機器レンタルを例にご説明しましょう。

【オフィスの拡張移転】その時ネットワークインフラは?

地方では人口減少により働き手不足が問題視されていますが、反対に都市部では利用人数が増加しているオフィスも多いです。では、都市部のオフィス需要とネットワークインフラ問題についてご紹介しましょう。

オフィスの拡張移転はよくあること

2017年8月、ザイマック総研の発表した「大都市圏オフィス需要調査2017<需要動向編>」によると、2016年4月?2017年3月の1年間でオフィスの利用人数が「増えた」企業は37.6%、「減った」企業は12.9%でした。

さらに、同発表ではオフィス面積についても調査しており、移転をしたオフィスで「拡張移転」は43.5%、「館内増床」は37.6%。オフィス面積の拡張理由の第1位は「人数が増えて手狭になった」で64.7%でした。

移転時に社内ネットワークの拡張は負担大

都市部ではオフィスの利用人数が増えやすく、拡張移転または館内増床の機会も多いのですが、そこで問題となるのがオフィスの移転や増床のたびに「社内ネットワークの再構築」が必要なことです。

縮小ならまだしも、ネットワークを拡大するには新たにネットワーク機器を買い足し、社内ネットワークのレイアウトの再設定が必要です。ネットワーク機器の購入、工事などコスト面での負担が大きくなります。

中古ネットワーク機器のレンタルの流れ

利用人数の増加により、オフィスの拡張移転をするとネットワーク機器の購入や工事で多くのコストがかかります。だからこそ、ご提案したいのが中古ネットワーク機器の「レンタル」という選択肢です。

社内ネットワーク構築にレンタルという選択肢

社内ネットワーク構築では「購入」が一般的です。しかし、新品で購入すると1台数十万円もする機器もあり、中古で揃えたとしてもある程度のコストがかかり、何より購入すれば管理等の責任も発生します。

その点、レンタルなら1台数千円/月からと低コストで社内ネットワークの再構築が可能になります。1週間や1ヶ月と短期レンタルに対応している業者もおり、必要な時に必要な規模と期間だけレンタルできるのも魅力です。

ネットワーク機器の一般的なレンタルの流れ

ネットワーク機器の一般的なレンタルの流れとして、「レンタルネットワーク」を例にご説明します。

  1. 見積もり依頼…希望機種、台数、期間などから見積もりを依頼
  2. 在庫・納期の案内…見積もり金額、機種の在庫や納期の案内
  3. 注文依頼(契約)…レンタル契約後、業者から契約機器が発送
  4. 機器の到着…ネットワーク機器の到着時からレンタル開始
  5. 請求書の送付…業者から見積もり内容に合わせた請求書が発送
  6. 代金の支払い…請求書記載の期日までにレンタル代金の支払い
  7. 機器の返却…レンタル後、指定の方法でネットワーク機器の返却

ちなみに、レンタル中のネットワーク機器が気に入った場合には、レンタル終了後に買い取れる場合があります。気になる機器をレンタルでお試しして、使用感を確かめてから導入できるのもレンタルならではの魅力です。

中古ネットワーク機器のレンタルが必要になる場面

中古ネットワーク機器をレンタルすると、オフィスの拡張移転による社内ネットワークの再構築コストを抑えられます。また、その他にも中古ネットワーク機器のレンタルは、以下のような場面で活用できるでしょう。

気になる機器を検証したい

ネットワーク機器メーカーは国内外に多数あり、各メーカーが様々な機能やスペックの機器を販売しています。例えば、Ciscoはルータやスイッチだけで50シリーズ以上あり、中には1台数十万円する機器もあります。まずは、レンタルで機能やスペックを検証してから購入すれば、選定に失敗するリスクを回避できるでしょう。

研修やイベント期間のみ利用したい

オフィスの拡張移転のように、長期的な移転であればネットワーク機器を購入するのもひとつの方法です。しかし、研修やイベントなど一時的に台数が増える場合に購入するのはもったいないです。そんな場合にこそレンタルがおすすめで、費用や管理コストをかけずに必要な期間だけネットワーク機器を揃えることができます。

減価償却を回避したい

大規模なネットワーク構築をすると、機器(10万円以上が対象)は「固定資産」扱いとなり経費処理の手間が増えます。対して、レンタルであれば月々の支払いを全額経費計上できるため経費処理の手間の削減になるのはもちろん、経費計上することで一定の節税効果も期待できるのです。

中古ネットワーク機器レンタルの事例紹介

社内ネットワークを再構築する際に、レンタルも選択肢のひとつとしておすすめしてきました。しかし、そもそも中古ネットワーク機器のレンタルに馴染みがない方も多いと思いますので、最後に2つの事例をご紹介します。

※以下の事例は、「レンタルネットワーク」の公式ページ上で紹介されている内容を抜粋しています。

Case1 某IT系企業

オフィス内でのIPフォンの導入に向けて、社内ネットワーク構築に必要なルータやスイッチなどネットワーク機器、さらにネットワークのレイアウトや機器の設置・設定と導入支援までトータルに含めた事例です。

  • レンタル製品:Ciscoルータ、Ciscoスイッチ、IPフォン、導入支援
  • レンタル期間:12ヶ月(経過後も延長)
  • レンタル用途:社内利用

Ciscoはアメリカ・カリフォルニアに本社がある、世界最大のネットワーク機器メーカーで、様々な規模、用途に合わせた機器を販売しています。中古市場、レンタルでも取り扱いが多いメーカーとして人気です。

Case2 某教育機関

CCNA(Ciscoのベンダー資格)やCCNP(シスコ認定ネットワークプロフェッショナル)などの取得支援を行っている教育機関に、1ヶ月間のみノートパソコンやネットワーク機器をレンタルした事例です。

  • レンタル製品:ノートパソコン、Ciscoルータ、Ciscoスイッチ、ケーブル類各種
  • レンタル期間:1ヶ月
  • レンタル用途:教育用

本来、ノートパソコンやCiscoルータ、Ciscoスイッチなどを1から揃えると数十万円はしますが、レンタルであれば月々のレンタル料のみとなります。この事例のように1ヶ月と短期間の利用であればレンタルがとても便利です。

ネットワーク構築は「使用期間」まで考慮すべき

今回、オフィスの拡張移転などにより社内ネットワークを再構築する際、購入以外にも「レンタル」という選択肢があること、レンタルのメリットや便利な場面についてご紹介してきました。

ここがポイント

  • レンタルなら購入や管理にかかるコストを削減できる
  • 業者によっては1週間からと短期間のみレンタルできる
  • 機器の機能やスペックの検証にもレンタルは活用できる

ちなみに、今回はレンタルに注目してきましたが、「中古」もおすすめです。中古であれば新品と比較して半値以下、機種によっては10分の1以下と格安で購入できることもあります。ネットワーク構築をする際には求める規模、機能、期間など総合的に検討すると最適な選択肢が見えてくるでしょう。