この記事では世界最大手であるシスコシステムズの、Cisco IOSバージョンの見方について解説します。最新版のCisco IOSを見分ける方法や、バージョンの命名規則、中古スイッチのバージョンを調べられるコマンドについて紹介します。
複雑な部分もありますが、一度覚えれば簡単に見分けられるようになると同時に、失敗しないスイッチ選びができるようになるでしょう。うまく活用してぴったりな製品選びを実現させてください。

Cisco IOSは数字が大きければ最新版という訳ではない

一般的に数字が大きいバージョンが新しいソフトだと考えがちですが、 Cisco IOSについては数字が大きいから最新版であるとは限りません。例えば、12.2(33)SXI9、15.0(1)M8、12.0(33)SB10の中でどれが最新版のCisco IOSであるかというと、どれもプラットフォームとしては最新版です。そのため、数字の大きさでは時系列を判断できません。

最新版であることを見分ける際には、スロットルとトレインが同一で、リビルドの数が大きくなっている方が新しいと判断します。つまり、最新の製品を利用したいのであれば、各プラットフォームの中でリビルドを見比べる必要があるのです。

しかし、Cisco IOSバージョン12.2(33)SREから、15.0(1)Sへの移行が行われた前例もあります。今後は、多くの統一された番号体系に移行することが公式で示唆されていたこともあり、最新の製品を見分けやすくなる可能性も十分にあるでしょう。そのような状態になるまでは、プラットフォームごとに分けて考えていくことをおすすめします。

中古購入の際に覚えておきたいCisco IOSバージョンの命名規則

番号

中古製品を購入する前に覚えておきたいことが、シスコシステムズが定めるCisco IOSバージョンの命名規則です。命名規則とは、プログラミングを行う際にソースコード上の文字列を定めるために作られた、いわばシステムなどを組み立てるルールといえるでしょう。命名規則を組み込むことでソースコードの視認性や可視性を高め、メンテナンスの改善につなげることができます。

Cisco IOSでは、バージョンの情報を示すための番号となる、ドレインとスロットル、リビルドといった3つの要素が使われます。
リビルドの構成はバグ修正となっており、場合によっては新機能が追加されることがありますが、基本的には追加されることはほとんどありません。このリビルドを見ることにより、新しいバージョンかどうか判断できます。
スロットルはバグ修正と新しい機能が加えられたマイナーバージョンで、トレインはCisco IOS機能セットの基盤を形取るメジャーバージョンです。

例えば、バージョン15.0(1)M8の場合、トレインは15.0Mの部分、スロットルは15.0(1)Mの部分、リビルドは8となるので、読み方を覚えておけば最新のバージョンであるかがすぐに理解できるようになるでしょう。

中古スイッチのCisco IOSバージョンを確認するコマンド

Cisco IOSのバージョンが最新であるかどうかの調べ方として、Catalystスイッチでshow versionコマンドを入力する方法があります。show versionはインターフェース情報やバージョン情報、アップタイムやシリアル番号など、さまざまな情報を調べることができるコマンドです。

このコマンドを活用し、スイッチなどに組み込まれている文字列を表示させてバージョンを確認することができれば、どのCisco IOSに対応しているのかなどを把握することができます。また、自分で購入したスイッチと相性の良いネットワーク機器を揃えることにも役立ちます。show versionではバージョンがversion 15.0(1)M8というように表示されるので、一目見ればすぐに分かるようになっています。

他にも、スイッチの現在の設定情報を調べることができる、show running-configというコマンドもあるので、スイッチのより詳しい情報を調べたい時はこちらを使ってみてください。一つ一つの読み方が分かるようになれば、どんな情報でも簡単に読み解けるようになるでしょう。

中古スイッチが対応するCisco IOSを調べる方法

Cisco IOS 15系を搭載できる中古製品

中古スイッチを購入する際に、Cisco IOS15系を搭載できる製品を購入するのであれば、Catalyst 2960-Sシリーズが候補の一つに挙がります。このシリーズはCisco IOS15に対応し、最大16台のスイッチを単一IPアドレスで管理できるなど、中規模企業でも十分に使える機能を持っているといえます。

また、PoE給電に対応したモデルもあるため、すべてのポートに電力を柔軟に配分できるスイッチとして、オフィスなどの環境を整えることにも活用できるでしょう。さらに、中古製品を選ぶことにより低コストで職場に導入することができるため、購入時の価格をできるだけ安く抑えたいという場合には、一つの手段として検討してみてはいかがでしょうか。

対応するCisco IOSの調べ方

Ciscoが扱うスイッチのCisco IOSを調べたい場合は、公式サイトで情報を調べることが一番の近道だといえます。例えば、上記で紹介したCatalyst 2960-Sシリーズに対応するCisco IOSを調べたい場合は、Cisco Catalyst 2960-S Series Switchesと入力して検索し、表示されたページ内のrelease notesの部分をクリックすることで、対応するCisco IOSを調べられるようになっています。

他の製品についての情報を調べたい時もページ内で検索できるので、スイッチ選びに失敗しないためにも、購入する前にホームページを訪れて購入を検討しているシリーズの確認をしてみましょう。

命名規則や確認コマンドを覚えれば、中古スイッチの対応Cisco IOSがわかる

中古スイッチのCisco IOSを調べる方法を大きく3つにまとめます。

ここがポイント

  • Ciscoの命名規則を覚えれば、最新かどうか読み解けるようになる
  • show versionのコマンドを活用すれば、バージョン情報を調べられる
  • Ciscoのホームページを活用すれば、シリーズの対応バージョンがすぐに分かる

命名規則を覚えれば、Cisco IOSのバージョンがどのような書き方をされているのか読み解くことができるようになります。show versionのコマンドを使った際にも、一目で最新のものであるか確認することができるでしょう。
また、公式ホームページを活用すれば対応バージョンも調べることができるため、バージョンを調べたい時に活用してみてはいかがでしょうか。ソースコードや文字列を読み解けるようになれば、オフィスの状況に合わせた適切なスイッチを自分で探し出すこともできます。