企業のネットワーク担当の方であれば、ネットワークルータの調子が突然悪くなるトラブルにみまわれた経験があるかと思います。しかし、社内にトラブルシューティングできる人材が少なく、「迅速に対応できない……」といったケースも多いのではないでしょうか。そこで紹介するのが、Ciscoのルータで使えるトラブルシューティング用のコマンドです。初心者でも使えますので、ぜひ有効活用してみてください。

ネットワークルータのトラブルシューティングをしたい

ネットワークルータが「何か調子が悪いな」という際には、まずルータの電源を落として、しばらくしてから電源を入れ直してみてください。軽いトラブルであれば、復旧する可能性が高いでしょう。ネットワークルータのトラブルの多くは通信データが溜まるケースと、機器の発熱による動作不安定が原因になっているからです。なお、ルータに含まれるコンデンサーにも寿命があるため、「ルータは消耗品である」ことを理解したうえで使用する必要があるでしょう。

一方、ルータの電源を入れ直しても復旧しない場合には、ネットワークルータの不調の原因を究明する必要があります。トラブルシューティングは、経験がものをいう部分も多いと思われているため、トラブルの場数を踏んだベテラン頼みになりがちです。社内にノウハウが溜まりにくいというデメリットもあります。これがネットワークルータのトラブルシューティングを難しくしている原因といえるでしょう。

こうした理由から「トラブルシューティングは難しい」と敬遠されがちなのですが、シスコのルータにはトラブルシューティングにおけるユーザ支援をするために、多数の統合コマンドが提供されています。 そこで、トラブルシューティングに使えるいくつかのコマンドを以下で紹介します。

トラブルシューティングで使えるshowコマンド

コード

「showコマンド」とは、インストール時の動作や通常時のネットワーク動作の監視をはじめ、問題領域の特定にも役立つコマンドです。つまり、showコマンドは、「監視やトラブルシューティング用のツール」といえるでしょう。

show コマンドを使用することで、以下のような機能が実行できます。

  • 初期インストール時のルータ動作を監視できる
  • 通常時のネットワーク動作を監視できる
  • ネットワークの輻輳(ふくそう:寄り集まって混みあうこと)原因を判別できる
  • 問題点があるインターフェースやメディア、ノード、アプリケーションを特定できる
  • サーバー、クライアント、その他デバイスのステータスを判別できる

なお、代表的な show コマンドについても紹介しておきます。

  • 「show version」:システム/ハードウェア設定、ソフトウェアのバージョン、設定ファイルの名前とソース、ブートイメージの表示コマンド
  • 「show running-config」:現在実行中ルータ設定の表示コマンド
  • 「show startup-config」:不揮発性 RAM(NVRAM)に保存されているルータ設定の表示コマンド

トラブルシューティングで使えるdebugコマンド

「debugコマンド」とは、プロトコルと設定の問題を特定するコマンドです。debugコマンドを使う場合には、
特権EXECコマンド(インターフェース上に存在するトラフィックや、ネットワーク上のノードにより生成されるエラーメッセージ、プロトコル固有の診断パケットといったトラブルシューティングに関する情報を提供するもの)にアクセスした後、次のコードを入力して一覧を表示します。

Router> enable
Password: XXXXXX
Router# ?

このとき、通常の「>」プロンプトではなく、「#」プロンプトが表示されていれば、ユーザのモードが特権 EXECモードに移行完了です。ただし、debugコマンドを使うと高い負荷がかかるため、ルータの動作を中断させる可能性があります。トラブルの原因や特定のトラフィックを調べる場合や、可能性の高い原因に焦点を当てたい場合のみ使用するように心掛けましょう。

代表的なコマンドについても紹介しておきます。

  • 「show debug」:デバッグがオフになっていることを確認するコマンド
  • 「debug ip packet」:ルータにより「ファースト スイッチング」されないパケットに関する情報を作成するコマンド
  • 「show debug condition」:条件付きデバッグが有効なことを確認するコマンド

おすすめのCiscoの中古ネットワークルータを紹介

最後に、Ciscoの中古ネットワークルータの人気商品を紹介しておきます。安価で、かつハイパフォーマンスなルータを探している方におすすめです。

Cisco ISR 2800 シリーズの概要

「Cisco ISR 2800 シリーズ」は、企業の支社や地方拠点といった小規模拠点での利用にフォーカスして開発された統合型ルータです。

主な特徴としては、

  1. 拡張スロットへのモジュール追加により、様々なインターフェース、ポート数の拡大、機能拡張に対応可能
  2. 高いQoS機能を誇り、VoIPに対応できるため、データ・音声統合ネットワークを構築が容易に可能
  3. 高品質なセキュリティを実現しつつも、安価にインターネットVPNの構築が可能

さらに、音声ゲートウェイやカンファレンス、コーデック変換用のDSPスロット内蔵により、処理能力が強化されているため、高いパフォーマンスを実現している点も、人気の秘訣といえるでしょう。

CISCO 2821の製品紹介

Cisco 2821は「Advanced Security」をバンドルした、高度なセキュリティ機能をサポートするネットワークルータです。Cisco 2821は複数の「T1/E1/xDSL 接続」に対応しているため、複数のサービスを高速で配信することが可能です。また、組み込み式の暗号化アクセラレーション機能、オンボードの音声DSPスロット、IPS、およびファイアウォール機能も搭載。統合型の処理機能とボイスメールもオプションでサポート可能です。さらに、多様な接続要件に応えるインターフェースとスロットを装備していますので、将来のネットワーク拡張要件や、高度なアプリケーションへの対応を可能にしています。

■製品情報まとめ

製品名 カテゴリ 訴求ポイント
CISCO 2821 ネットワークルータ セキュアな環境を提供し、様々なコンテンツを同時配信できる高いパフォーマンスを実現する

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CISCO2821のレンタルはこちら

属人化しがちなネットワーク機器のトラブルシューティング

今回は、シスコの中古ルータで使えるトラブルシューティング用のコマンドを紹介しました。ネットワーク機器のトラブルシューティングには経験値が必須と思われがちですが、今回紹介したコマンドを利用することで、簡単にトラブルシューティングに対応できるようになりますので、ぜひお試しください。

ここがポイント

  • ネットワーク機器のトラブルシューティングは初心者には困難だが、シスコのルータにはトラブルシューティングに役立つコマンドが用意されている
  • showコマンドは、監視やトラブルシューティング用のツール
  • debugコマンドとは、プロトコルと設定の問題を特定するコマンド

シスコのルータには今回紹介したコマンド以外にも、ネットワーク機器のトラブルシューティングに役立つものが準備されています。使用方法さえ理解すれば、初心者でも対応可能なので、ネットワーク機器のトラブルシューティングが属人化している企業には特におすすめです。