この記事の情報は2026年5月時点の法令等に基づいています。税務処理については税理士や専門家への確認を推奨します。
拠点のネットワーク構築に欠かせないネットワーク機器ですが、工事してから10年以上経過しているのであれば注意が必要です。サーバーやルーター、有線ケーブルなどのネットワーク機器はどうしても時間の経過とともに劣化し、故障や事故につながります。
では、劣化具合をどう判断すればいいのかですが、ひとつは「耐用年数」です。各ネットワーク機器には耐用年数が定められているので、その期間を過ぎた製品には注意してください。この記事ではネットワーク機器の耐用年数と、中古機器の場合はどうなるのかを解説します。
目次
耐用年数を過ぎた古いネットワーク機器の不具合
古くなったネットワーク機器は劣化していき、故障や事故のリスクが高まります。しかし、「古い機器は危険!」と伝えられてもイメージが付きにくいと思いますので、まずはよくあるトラブルを紹介しましょう。
有線ケーブルが断線する
有線ケーブルは銅線などの内部導体を、塩化ビニルなどの絶縁体で巻いたシンプルな構造です。軽く折り曲げても大丈夫なくらいの強度はありますが、経年劣化や強い力が加わると断線することがあります。
機器間を接続するのに有線ケーブルは欠かせないだけに、有線ケーブルが断線していると接続しているネットワーク機器は機能しません。断線の箇所によっては、ネットワーク全体に不具合が生じることさえあります。
機器が故障して停止する
ネットワーク構築にはルーターやハブ(HUB)、スイッチや無線LANなど様々なネットワーク機器が必要です。それらネットワーク機器の多くは精密機器で、経年劣化によりいつかは内部の部品が故障します。
故障したのがルーターやハブなどの中継機器であれば、ネットワーク全体が停止するでしょう。また、拠点内に設置していたサーバーが故障すれば、記録されているすべての情報が失われる危険性さえあります。
FortiGate(フォーティゲート)などのUTM機器については、法定耐用年数に加えてメーカーの製品ライフサイクル(EOL)や保守終了時期も確認してください。EOLを迎えた機器は、ファームウェア更新やセキュリティパッチの提供が止まり、脆弱性対策の観点からも更新が必要になることがあります。
部品が劣化して発火する
ネットワーク機器の経年劣化でもっとも注意したいのは、プラグや電源モジュールなど熱を帯びやすい部品です。熱は経年劣化を進める原因のひとつであり、これら部品はどうしても劣化が進みやすくなります。
さらに、熱を帯びやすいということは、最悪のケースとして劣化した部品から発火する可能性もあるわけです。拠点に誰もいない間にネットワーク機器から発火という、恐ろしい事態になるのは簡単に想像できます。
ネットワーク機器の耐用年数について
ネットワーク機器の劣化を放置していると、ただネットワークに不具合が生じるだけでなく、事故のリスクも上昇します。では、機器が劣化しているかの判断基準にできる、耐用年数について説明します。
耐用年数とは
耐用年数とは正確には「法定耐用年数」と呼ばれ、設備や機器などについて法定上で定められた見積もりの使用期間を指します。ただし、設備や機器の劣化具合は、使用環境や使用頻度によって差があるため、耐用年数はあくまで「これくらいなら大丈夫だろう」という見積もりの期間です。
本来、耐用年数は設備や機器を購入した際に、減価償却資産として計上するために使用されるものですが、法定上で定められた見積もりの使用期間であり、ネットワーク機器の劣化具合を測るための基準にもできます。
※減価償却資産とは使用年数によって価値が減少する資産のことで、経費計上などの計算に使用されます。
ネットワーク機器の耐用年数
これまでネットワーク機器(LAN設備)の耐用年数は一括して取得から6年間と定められていましたが、2002年の「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」により個々に年数が定められました。あわせて、2001年(平成13年度)の税制改正で電子計算機(パソコン・サーバー)の耐用年数が短縮され、現在はおおむね次のようになっています。
- サーバー:5年
- ネットワークオペレーションシステム、アプリケーションソフト:5年
- ハブ、ルーター、リピーター、LANボード:10年
- パソコン・端末機(クライアント):4年
- プリンター:5年
- ツイストペアケーブル、同軸ケーブル:18年
- 光ケーブル:10年
例えば、有線ケーブル(LANケーブル)はツイストペアケーブルや同軸ケーブルなので18年。ハブやルーター、有線ケーブル(光ケーブル)は10年のように、各ネットワーク機器によって耐用年数は異なります。
※ルーター(VPNルーター・UTM・FortiGate等)、スイッチングハブ(ネットワークスイッチ)、無線LANアクセスポイントも、通信機器としておおむね10年が目安です。
これらの法定耐用年数のうち、ネットワーク機器(LAN設備)部分は国税庁のLAN設備の耐用年数の取扱いに関する質疑応答、パソコン・サーバーなどの電子計算機は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一」が根拠です。なお、上記質疑応答の表にはサーバー・端末機が「6年」と記載されていますが、これは2001年の税制改正前の数値で、現行はサーバー5年・パソコン4年が適用されます。
ルーターの法定耐用年数は10年
ルーター(VPNルーター・UTM・FortiGate等)の法定耐用年数は10年です。国税庁のLAN設備の取扱いでは、ハブ・ルーター・リピーター・LANボードと同列で定められており、減価償却の期間はこの10年を基準に計算します。
一方で、ルーターの物理的な寿命は使用環境によって大きく異なります。24時間365日の稼働や内部の熱劣化を踏まえると、導入から5年前後を点検・更新検討の目安とする場合があります。法定耐用年数はあくまで会計上の耐用年数、寿命は実際の買い替え・更新の判断材料として使い分けてください。
ルーターの買い替えを検討する目安は、次のようなケースです。
- 導入から5年前後が経過し、通信速度の低下や再起動の増加が見られる
- メーカーのEOL(保守終了)やファームウェア更新の提供が終了している
- VPN・UTMなど、現在のセキュリティ要件を満たせなくなっている
法定耐用年数に達していなくても、上記に当てはまれば更新を検討するタイミングです。予算を抑えたい場合は中古ルーターの導入も選択肢になりますが、保守サポートの有無をあわせて確認することが重要です。
ルーターなどネットワーク機器の減価償却のポイント
法定耐用年数は、減価償却期間の目安です。ルーター(VPNルーター・UTM含む)やスイッチングハブを購入・更新する際の減価償却は、次の点だけ押さえておけば十分です。
- ルーターの減価償却:法定耐用年数は10年。取得価額10万円以上なら資産計上して原則10年にわたって償却し、10万円未満なら「消耗品費」としてその年に全額を経費計上できる場合があります
- 中古機器:後述の「使用可能年数」に基づいて償却期間を決めます
会計処理の詳細(一括償却資産の特例や償却方法の選択など)については、税理士や専門家への確認を推奨します。
中古のネットワーク機器は「簡便法」で耐用年数を算定する
ここまでネットワーク機器の耐用年数についてまとめましたが、法定耐用年数は「新品」を前提に定められています。そのため、中古のネットワーク機器には法定耐用年数がそのまま適用されません。
ただし、「中古機器には耐用年数が定められていない」わけではありません。中古資産については、すでに経過した年数を考慮して耐用年数を算定する方法(簡便法・見積法)が定められています(減価償却資産の耐用年数等に関する省令 第3条)。[6.1]見積りが難しい場合に使う簡便法では、次のように計算します。
- 耐用年数をすべて経過した場合:耐用年数の20%に相当する年数
- 耐用年数の一部を経過した場合:耐用年数から経過年数を引いた年数に、経過年数の20%を加えた年数
例えば、2の場合、耐用年数が18年、すでに8年が経過していたとしましょう。耐用年数から経過年数を引いた10年に、経過年数の20%である2年を加えた12年が見積もりの使用可能期間となります。
※経過年数の20%で算出した際、1未満の端数は切り捨て、合計が2年に満たない場合はすべて2年とします。
また、法定耐用年数10年のルーターで4年使用された中古品を取得した場合は、使用可能年数 =(10年 − 4年)+ 4年 × 20% = 6年(端数切捨) となります。
また、中古製品といっても販売店が適切に点検・整備・保管していれば、新品とそれほど変わらない製品もあります。ここで紹介する耐用年数、使用可能期間は目安として考え、定期的に点検するのが良いでしょう。
アイティープロダクトの新品・中古ネットワーク機器
アイティープロダクト(ITPRODUCT)では、Cisco・Fortinet・YAMAHAなど国内外の主要メーカーの新品・中古ネットワーク機器を多数取り扱っています。品質管理部門を設けており、中古製品も適切に点検・整備・保管したうえで販売しています。
新品Cisco製品はCisco SMARTnetに加入
新品のネットワーク機器には、メーカーによる手厚い保証(保守)サービスを利用できます。例えば、ネットワーク機器メーカーとして世界シェアを誇るCiscoの製品は、「Cisco SMART net 保守(SMART net Total Care 保守)」に加入が可能です。Ciscoによる遠隔技術サポート、短期の代替パーツ先出し配送、問題のアラートと自動診断、ウェブ上のサポートコミュニティに参加できます。
※Cisco SMART net 保守は新品のCisco製品向けの有料サービスです。
■アイティープロダクトの特長
- 国内外の主要メーカーを中心に、新品・中古ネットワーク機器の品揃えが豊富
- 品質管理部門があり中古製品でも適切に点検・整備・保管がされている
- 新品のネットワーク機器にはメーカー保証(保守)サービスを利用できる
新品は耐用年数、中古は使用可能年数を確認しましょう
ここでは、ネットワーク機器の劣化による故障と事故のリスク、劣化具合を判断するため耐用年数について、そして中古ネットワーク機器の使用可能期間を見積もる方法までまとめました。
ここがポイント
- 耐用年数を過ぎたネットワーク機器は故障や事故のリスクがある
- 中古製品でも耐用年数から使用可能年数の見積もりが計算できる
- 中古製品は販売店によって状態や品質に差がある
アイティープロダクトでは品質管理部門を設置し、中古製品を適切に点検・整備・保管してから販売しています。ネットワーク機器を買い替える際には、ぜひ候補のひとつに検討してみてください。

