ルーターのRTXシリーズと並び、法人向けネットワーク機器として多くの現場で使われているヤマハの無線LANアクセスポイント「WLXシリーズ」。別途外部コントローラを用意せずに使用可能なクラスター管理やクラウド型管理サービス「YNO」(Yamaha Network Organizer)に対応し、専任のネットワーク担当者がいない中小規模のオフィスや教育機関、医療機関でも運用しやすい点が評価されてきました。

そのWLXシリーズに、ヤマハがWi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応した無線APとして発売したのが、2026年6月に発表され、同年7月に発売された「WLX333」と「WLX232」です。10GbEマルチギガポートを搭載したパフォーマンスモデルと、2.5GbEポートを搭載したスタンダードモデルの2機種構成で、2026年秋以降のファームウェアで対応予定の運用支援ツール「Wellness OnStage」(ウェルネス オンステージ)や、空間に調和するデザインも特徴になっています。

本記事では、WLX333・WLX232の概要とWi-Fi 7の主な技術、2機種のスペック比較、従来モデル「WLX323」「WLX322」との違い、管理機能、導入前に確認しておきたいポイントと選び方までを整理して解説します。

まず結論を先にまとめると、押さえておくべき点は以下の3つです。

  • WLX333は6GHz/5GHz/2.4GHzを同時に使えるトライバンド・10GbEマルチギガモデル、WLX232は2.4GHz+5GHzまたは6GHzのデュアルバンド・2.5GbEモデルで、接続端末数は合計270台と170台です。
  • 従来モデルからの主な進化は、Wi-Fi 7のMLO・Preamble Puncturing・4K QAMへの対応と、有線ポートの高速化(WLX333は10GbEマルチギガポート)、そして運用支援ツールの刷新(2026年秋以降に対応予定)です。
  • Wi-Fi 7の性能を活かすには、無線APだけでなくPoE+対応スイッチやマルチギガ対応のスイッチ、配線などの有線側を含めた設計が重要です。

WLX333・WLX232とは?ヤマハのWi-Fi 7対応無線LANアクセスポイント

発売時期と製品の位置づけ

WLX333とWLX232は、ヤマハ株式会社が2026年6月2日に発表し、2026年7月に発売した法人向けの無線LANアクセスポイントです。ヤマハの無線AP製品として、最新の無線LAN規格であるWi-Fi 7(IEEE 802.11be)に対応しています。

ヤマハはこの2機種を、Wi-Fi 7対応のハイグレードモデルと位置づけています。クラウドサービスやオンライン会議、動画コンテンツの利用拡大で無線LANのトラフィックが増え、通信の安定性や低遅延へのニーズが高まっていることが背景にあります。オフィスや教育機関、医療機関など、多数の端末が同時に接続する現場で快適な通信環境を提供することが狙いです。

なお、ヤマハは既存のWi-Fi 6/6E対応無線APとあわせて展開するとしており、Wi-Fi 7対応機の登場によって従来モデルがすぐに置き換わるわけではありません。導入環境や要件に応じてモデルを選べるラインアップになっています。

パフォーマンスモデルとスタンダードモデルの2機種構成

WLX333は、10GbEマルチギガポートを搭載したパフォーマンスモデルです。6GHz帯・5GHz帯・2.4GHz帯の3つの周波数帯を同時に利用できるトライバンドに対応し、高密度環境や大容量通信が求められるシーンに向いています。

WLX232は、2.5GbEポートを搭載したスタンダードモデルです。2.4GHz帯に加えて5GHz帯または6GHz帯を切り替えて使うデュアルバンド構成で、中規模オフィスや一般的な業務用途に適しています。

どちらのモデルにも、内部構造がうっすら透ける半透明の「ブラックスケルトンモデル」と「ホワイトモデル」の2色のカラーバリエーションが用意されています。品番末尾の「B」がブラック(スケルトン)、「W」がホワイトを表します。

Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)で何が変わる?WLX333・WLX232の主な技術

Wi-Fi 7は、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)/Wi-Fi 6Eの後継となる無線LAN規格です。最高速度の向上に注目が集まりがちですが、業務用の無線APで重要なのは、多数の端末が接続する混雑環境でも遅延や途切れを抑え、安定した通信を維持できるかどうかです。WLX333・WLX232が対応するWi-Fi 7の主な技術は次のとおりです。

  1. 6GHz帯の利用: 2.4GHz帯・5GHz帯に加えて、干渉の少ない6GHz帯を利用できます。6GHz帯は5GHz帯で必要なDFS(気象・航空レーダーとの干渉回避)の制約を受けないため、混雑環境でも安定した通信を確保しやすくなります。WLX333では6GHz帯で最大5,765Mbpsの伝送速度に対応します。
  2. MLO(Multi-Link Operation): 複数の周波数帯を同時に利用し、通信状況に応じて最適な経路を柔軟に使い分ける技術です。特定の帯域が混雑しても別の帯域を活用できるため、通信の遅延や途切れを抑え、オンライン会議やクラウド利用時の快適性が向上します。
  3. Preamble Puncturing: チャンネルの一部に電波干渉がある場合、その部分だけを避けて残りの帯域を使って通信する技術です。チャンネル全体を無駄にせずに済むため、実効スループットが向上します。
  4. 4K QAM(4096QAM): 一度に送信できるデータ量を増やす変調方式です。Wi-Fi 6の1024QAMよりも効率よくデータを送れるため、多数の端末が接続されるオフィスや教育機関、来訪者向けWi-Fiを提供する店舗・施設でも、快適な通信を維持しやすくなります。

また、従来モデルと同様に、無線AP間で接続端末を適切に分散し、特定の無線APへの負荷集中を抑える端末分散の仕組みも搭載しています。Wi-Fi 7の新技術と、WLXシリーズが培ってきた高密度環境向けの機能を組み合わせている点が特徴です。

WLX333とWLX232のスペック比較

2機種の主な仕様を比較すると、次のようになります。

項目WLX333WLX232
位置づけパフォーマンスモデルスタンダードモデル
無線LAN規格Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)
 
※下位規格802.11b/g/n/a/ac/axにも対応
Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)
 
※下位規格802.11b/g/n/a/ac/axにも対応
同時利用周波数帯2.4GHz/5GHz/6GHz(トライバンド)2.4GHz/5GHzまたは2.4GHz/6GHz(デュアルバンド)
 
※5GHz帯と6GHz帯は切り替えて利用
最大伝送速度6GHz帯:5,765Mbps
5GHz帯:2,882Mbps
 
2.4GHz帯:688Mbps(アップリンクは574Mbps)
6GHz帯:5,765Mbps
5GHz帯:2,882Mbps
 
2.4GHz帯:688Mbps(アップリンクは574Mbps)
MIMO方式各帯域 2×2(2ストリーム)各帯域 2×2(2ストリーム)
最大接続端末数合計270台
 
※6GHz帯100台、5GHz帯100台、2.4GHz帯70台
合計170台
 
※6GHz帯または5GHz帯100台、2.4GHz帯70台
LANポート1ポート(最大10GBASE-T)
 
※100BASE-TX/1000BASE-T/2.5GBASE-T/5GBASE-T/10GBASE-T対応※マルチギガポート
1ポート(最大2.5GBASE-T)
 
※100BASE-TX/1000BASE-T/2.5GBASE-T対応
給電方式PoE+受電(IEEE 802.3at準拠)または電源アダプターPoE+受電(IEEE 802.3at準拠)または電源アダプター
最大消費電力23W15W
内蔵アンテナ合計5本
 
※DFSスキャン用アンテナを含む
合計4本
外形寸法・質量210×56.6×210mm/本体約1.2kg190×55.6×190mm/本体約0.9kg
カラーブラックスケルトン/ホワイトブラックスケルトン/ホワイト
※仕様はヤマハ公式ニュースリリース(2026年6月2日)の主な仕様に基づきます。最新情報はメーカー公式サイトでご確認ください。

最大伝送速度やストリーム数は帯域ごとに見ると同じですが、WLX333は3つの帯域を同時に使えるのに対し、WLX232は5GHz帯と6GHz帯のどちらかを選ぶ点が大きな違いです。同時に使える帯域の数が、最大接続端末数(270台/170台)やMLOで束ねられる帯域の選択肢にも影響します。

WLX333の特長|10GbE搭載のトライバンドモデル

WLX333は、Wi-Fi 7の性能をフルに引き出すことを重視したモデルです。6GHz・5GHz・2.4GHzのトライバンドで合計270台の端末を収容でき、会議室が多いオフィスや、授業で一斉に端末を使う教室、多数の医療端末が動く病棟など、端末が密集する環境に向いています。

有線側には、PoE+受電に対応した10GbEポート(10GBASE-T)を搭載しています。無線側で高速化しても、上位ネットワークへのアップリンクが1GbEのままではボトルネックになりやすいため、10GbEで接続できる点は高密度環境で大きな意味を持ちます。またマルチギガポートとなっているため、既存のLANケーブルがカテゴリー5eケーブルでも、2.5GbEのリンク速度でも利用可能です。ヤマハは、PoE+対応・10GbE多ポート搭載のインテリジェントL2スイッチ「SWX2322P-30MC」「SWX2322P-16MT」と組み合わせ、超高速な「オール10G構成」を実現する構成を提案しています。特にSWX2322P-30MCは装置全体で最大720Wまで給電でき、WLX333を最大24台収容できるとされています。

また、WLX333はDFSスキャン用アンテナを内蔵し、航空レーダーや気象レーダーなどを検出したときに、迅速にチャンネルを切り替える「Fast DFSv2機能」に対応します(WLX232は非対応)。このほか、無線AP同士を無線で接続するWDSブリッジモードもWLX333のみの対応です。

WLX232の特長|導入負担を抑えやすい2.5GbEモデル

WLX232は、Wi-Fi 7の主要機能に対応しながら、導入時の負担を抑えやすいスタンダードモデルです。2.4GHz帯に加えて5GHz帯または6GHz帯を使うデュアルバンドで、最大170台の端末を収容できます。まずは対応端末の多い5GHz帯で運用し、6GHz対応端末が増えてきた段階で6GHz帯に切り替える、といった使い方も可能です。

有線側はPoE+受電対応の2.5GbEポート(2.5GBASE-T)です。2.5GbE接続は、既存環境で多く使われているカテゴリー5eのLANケーブルで利用できる(この点はWLX333も同様です)ため、既設の配線を活かしたまま無線LANを最新化しやすいのが利点です。ヤマハは、PoE+対応・2.5GbE多ポートとアップリンク10GbEを備えたスマートL2スイッチ「SWX2220P-26NT」「SWX2220P-18NT」「SWX2221P-10NT」との組み合わせを「マルチギガ構成」として提案しています。

最大消費電力は15WとWLX333より小さく、本体もひと回りコンパクトで約0.9kgです。WPS(ボタン操作による簡易接続)にはWLX232のみが対応しています。

従来モデル(WLX323・WLX322)との違い

WLX333・WLX232の直前の世代にあたるのが、2024年2月に発売されたWi-Fi 6E対応の「WLX323」と、Wi-Fi 6対応の「WLX322」です。ヤマハのニュースリリースでは、新モデルはWi-Fi 7対応の「ハイグレードモデル」と位置づけられており、重量は従来モデルWLX323・WLX322とほぼ同等に抑えられています。

WLX333とWLX323の違い

項目WLX333(Wi-Fi 7)WLX323(Wi-Fi 6E)
無線LAN規格IEEE 802.11be(Wi-Fi 7)IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6E)
周波数帯の構成6GHz/5GHz/2.4GHzを同時利用2.4GHz/5GHz+5GHzまたは6GHz
 
※3つ目のモジュールを5GHzか6GHzで選択
最大伝送速度6GHz帯:5,765Mbps
5GHz帯:2,882Mbps
 
2.4GHz帯:688Mbps(アップリンクは574Mbps)
6GHz帯:2,402Mbps
5GHz帯(1):2,402Mbps/5GHz帯(2):1,201Mbps
 
2.4GHz帯:574Mbps
最大接続端末数合計270台合計270台
LANポート最大10GBASE-T最大2.5GBASE-T
Wi-Fi 7の主要機能MLO/Preamble Puncturing/4K QAM非対応
運用支援ツールWellness OnStage
 
※2026年秋以降のファームウェアで対応予定
無線LAN見える化ツール
最大消費電力23W19W
※WLX323の仕様はヤマハ公式サイトの製品仕様に基づきます。

接続端末数は同じ270台ですが、WLX333は6GHz帯を常時使えるうえ、帯域あたりの最大伝送速度とLANポートの速度が大きく向上しています。一方、WLX323は5GHz帯(1)の無線モジュールを4×4(4ストリーム)で使えるため、6GHz非対応の端末が中心の環境ではWLX323でも十分な性能を発揮できる場面があります。

WLX232とWLX322の違い

WLX322はWi-Fi 6対応のデュアルバンドモデルで、2.4GHz帯と5GHz帯を利用し、最大170台の端末を収容できます。WLX232も最大接続端末数は170台と同じですが、Wi-Fi 7に対応したことで6GHz帯を選択できるようになり、MLOやPreamble Puncturingなどの新機能も使えます。LANポートは両機種とも2.5GbE対応のため、WLX322からの入れ替えでは配線やスイッチ構成を大きく変えずに移行しやすい組み合わせです。

設計・管理面の違い

  1. デザインとカラーバリエーション: 新モデルでは、内部構造が透けるブラックスケルトンモデルが新たに用意され、ホワイトモデルとの2色展開になりました。天面は緩やかなウェーブ形状で、アンテナ配置と内部構造、外観デザインを一体で設計し、無線APを「空間の価値を高める存在」として位置づけています。ホワイトモデルも過度に白くならない色味に調整されています。
  2. 設置性: 本体構造と同梱の取付金具を改良し、天井・壁面・卓上に加えてスイッチボックスへの設置にも新たに対応しました。落下防止ワイヤーを本体へ直接取り付けられるようになった点も変更点です。
  3. 電源アダプター: 別売の電源アダプターは「YPS-12V4A」に変わりました。従来の「YPS-12V3A」との互換性を持つ関連オプションとされていますが、新モデルでは必ずYPS-12V4Aを使用するよう案内されています。

WLX333・WLX232の管理機能と運用支援ツール

クラスター管理機能とYNO(Yamaha Network Organizer)

WLX333・WLX232は、WLXシリーズの特長であるクラスター管理機能に対応しています。無線AP本体に内蔵された「仮想コントローラー」によって、同じレイヤー2ネットワークに接続された無線APを一元管理する仕組みで、専用の無線LANコントローラーを用意する必要はありません。クラスター管理機能に対応したWLXシリーズであれば、他機種と混在させて最大128台の無線APを追加費用なく一括管理できます。但し管理可能な機種の詳細は技術資料で確認が必要です。たとえばWLX232、WLX333が優先してリーダーAPになる仕様になっておりますが、追加手順を誤ると従来機種がクラスターのリーダーになってしまうことがあります。その場合、仮想コントローラーからMLOを使うSSIDや、Preamble Puncturingなどの設定はできません。

多拠点を運用する場合は、クラウド型のネットワーク統合管理サービス「YNO」に対応しており、拠点をまたいだ統合管理やファームウェアの更新も行えます。ヤマハのルーターやインテリジェントL2スイッチが搭載する「LANマップ」と組み合わせれば、配下のスイッチや無線APを含むネットワーク構成を自動で認識して画面上に表示することも可能です。WLX333・WLX232はL2MSエージェントとして動作するため、ヤマハのルーターやスイッチ側から設定や状態を管理できます。

新しい運用支援ツール「Wellness OnStage」

Wellness OnStageは、従来の「無線LAN見える化ツール」を刷新した無線LAN運用支援ツールです。最大の特徴は、機器の状態ではなく「業務への影響」を起点に状況を捉える点にあります。

中核となるのが、業務を快適に行えているかを独自に可視化した指標「Wi-Fi快適度」です。ダッシュボードで異常の有無や影響範囲を把握し、そこから端末や無線APの状態へ段階的にたどっていくことで、ネットワークに詳しくない現場の担当者でも一次判断や初期対応を行いやすくなります。SIerは利用傾向や再発要因の分析に注力できるため、現場とSIerの役割分担がしやすくなる点もメリットです。

Wellness OnStageはオンプレミス型の管理機能として実装されるため、クラウドサービスを使わない環境でも拠点全体のWi-Fi状況を把握できます。多拠点ではYNOと連携した統合管理にも対応予定です。なお、発売時点では搭載されておらず、2026年秋以降のファームウェアアップデートで対応予定と発表されています。導入時は、ヤマハの技術情報サイト(RTpro)で最新の対応状況を確認してください。

セキュリティとその他の主な機能

セキュリティ面では、認証方式としてWPA3(パーソナル/エンタープライズ)やEnhanced Openに対応し、192-bitセキュリティーモードも利用できます。最大1,000件を登録できる内蔵RADIUSサーバーを備えるほか、外部RADIUSサーバーを使ったIEEE 802.1X認証にも対応しています。マルチSSIDは合計16個まで設定でき、タグVLAN、MACアドレスフィルタリング、キャプティブポータル機能、来訪者向けに便利なかんたん接続QRコード生成機能なども利用できます。

このほか、無線環境の最適化を支援するRadio Optimization機能、クラスター内で電波強度などの情報を共有してローミングのタイミングを学習する適応型ローミングアシスト機能、高速ローミング(IEEE 802.11r)、災害時モード切替機能など、業務用途で求められる機能を幅広く搭載しています。

導入前に確認したいポイント

有線ネットワーク側の帯域と給電容量

Wi-Fi 7の性能を現場で活かすには、無線APの性能だけでなく、有線側の帯域や給電を含めてボトルネックを作らない設計が重要です。WLX333を10GbEで接続するには10GBASE-T対応のスイッチと、カテゴリー6(CAT6)以上のLANケーブルが必要です。ただしCAT6では最大伝送距離が55mに制限されるため、100mまで配線する場合はカテゴリー6A以上を選びます。2.5GbE接続であれば、カテゴリー5eの既存配線を活かせます。

給電はどちらもPoE+(IEEE 802.3at)受電に対応していますが、最大消費電力はWLX333が23W、WLX232が15Wです。複数台を1台のPoEスイッチで給電する場合は、スイッチ全体の給電容量に余裕があるかを事前に確認しておきましょう。PoEスイッチを使わない場合は、別売の電源アダプター「YPS-12V4A」や、PoEインジェクター(WLX333はYPS-PoE-BT 、WLX232はYPS-PoE-AT)を用意します。

端末側の対応状況と6GHz帯の扱い

Wi-Fi 7の新機能や6GHz帯を利用するには、ノートPCやスマートフォンなどの端末側も対応している必要があります。Wi-Fi 6以前の端末も下位互換で接続できますが、その場合はWi-Fi 7ならではのメリットは限定的です。社内端末の更新計画とあわせて、どのタイミングで6GHz帯を本格活用するかを検討すると、モデル選定の判断がしやすくなります。

既存WLXシリーズとの混在と設置環境

既存のWLXシリーズを運用している場合は、クラスター管理で混在運用できる機種かどうかを技術資料で確認しておくと安心です。初期設定は、LANに接続するとDHCPでIPアドレスを自動取得し(取得失敗時は192.168.100.240)、Web設定画面やコンソールポート、YNOなどから行えます。また、動作環境は周囲温度0〜50℃、周囲湿度15〜80%(結露しないこと)と定められています。天井裏や倉庫など温度が上がりやすい場所への設置では、環境条件を満たすかどうかも確認が必要です。

WLX333とWLX232の選び方

どちらのモデルが適しているかは、端末数や利用帯域、有線側の設備によって変わります。判断の目安は次のとおりです。

  1. 端末が密集する環境ならWLX333: 1台あたりの接続端末が多い会議室や教室、医療機関など、高密度環境や大容量通信が想定される場合は、トライバンドで合計270台を収容できるWLX333が適しています。6GHz帯と5GHz帯を同時に使い続けたい場合もWLX333が選択肢になります。
  2. 10GbEのネットワークを構築・計画中ならWLX333: 基幹スイッチや配線を10GbEに対応させる計画がある場合は、無線APも10GbEで接続できるWLX333を選ぶと、ネットワーク全体の性能を活かしやすくなります。
  3. コストを抑えて更新するならWLX232: 中規模オフィスや一般的な業務用途で、2.5GbEスイッチを活かしながらWi-Fi 7へ移行したい場合は、WLX232が導入しやすいモデルです。カテゴリー5eの既設配線でも2.5GbEで接続できる点はWLX333も同じなので、端末数や6GHz帯の使い方で選び分けます。
  4. 6GHz対応端末がまだ少ない場合は現行世代も比較: 端末の多くがWi-Fi 6以前で、当面は性能向上の効果が限定的な場合は、WLX323・WLX322などの現行モデルも含めて比較し、費用対効果を検討するのも一つの方法です。

WLX333・WLX232に関するよくある質問

WLX333とWLX232はいつ発売されましたか?

2026年6月2日に発表され、2026年7月に発売されました。どちらもヤマハのWi-Fi 7対応無線LANアクセスポイントです。

Wellness OnStageはすぐに使えますか?

発売時点では搭載されておらず、2026年秋以降に公開予定のファームウェアで対応すると発表されています。利用する際は、ヤマハの技術情報サイト(RTpro)で対応ファームウェアの公開状況を確認し、必要に応じてファームウェアを更新してください。

ブラックとホワイトで性能に違いはありますか?

WLX333・WLX232ともに、ブラックスケルトンモデルとホワイトモデルは品番末尾(B/W)で区別されるカラーバリエーションで、主な仕様は共通です。スケルトン天井のオフィスなど暗色系の空間にはブラック、明るいオフィスや医療機関、教育施設にはホワイトなど、設置空間のデザインに合わせて選べます。

WLX232で5GHz帯と6GHz帯を同時に使えますか?

同時には使えません。WLX232は2.4GHz/5GHzまたは2.4GHz/6GHzのデュアルバンドで、5GHz帯と6GHz帯は切り替えて利用します。3つの帯域を同時に使いたい場合はWLX333を選択します。

既存のWLXシリーズと一緒に管理できますか?

クラスター管理機能に対応したWLXシリーズであれば、機種を混在させて最大128台まで一括管理できます。ただし、管理可能な機種の組み合わせには条件があります。WLX333・WLX232が優先してリーダーAPになる仕様ですが、追加手順を誤ると従来機種がリーダーになってしまうことがあり、その場合は仮想コントローラーからMLOを使うSSIDや、Preamble Puncturingなどの設定はできません。導入前にヤマハの技術資料で対応機種を確認してください。

まとめ

WLX333とWLX232は、ヤマハのWi-Fi 7対応無線LANアクセスポイントです。6GHz帯やMLO、Preamble Puncturing、4K QAMといったWi-Fi 7の主要機能に対応し、混雑環境でも低遅延で安定した通信を目指した製品です。WLX333は10GbE・トライバンドのパフォーマンスモデル、WLX232は2.5GbE・デュアルバンドのスタンダードモデルで、従来モデルWLX323・WLX322と比べて、無線面ではWi-Fi 7対応で性能が向上し、有線面でもWLX333は10GbEに対応しています。運用面ではクラスター管理機能やYNOを継承しつつ、運用支援ツールWellness OnStageも、2026年秋以降のファームウェアで提供が予定されています。

実務上のポイントは次の3つです。

  • 端末が密集する高密度環境や10GbEネットワークにはWLX333、中規模オフィスの更新にはWLX232が選びやすい。どちらもカテゴリー5eの既設配線で2.5GbE接続ができる
  • Wi-Fi 7の性能を活かすには、PoE+スイッチの給電容量やLANケーブルのカテゴリーなど、有線側の設計もあわせて確認する
  •  Wellness OnStageの対応ファームウェアやクラスター管理の対応機種など、最新情報はヤマハの技術資料で確認してから導入する

自社の端末数や設備の更新計画に合わせて、最適なモデルを選びましょう。

当サイトでは、ヤマハをはじめとするネットワーク機器の販売に加え、無線LANアクセスポイントの機種選定や構成確認、既存機器からの入れ替え時の機種選定に関するご相談を承っています。見積、導入条件の確認、構成検討が必要な場合は、製品ページやお問い合わせフォームをご利用ください。

※本記事は、ヤマハ株式会社の公開ニュースリリースおよび製品仕様・技術資料等をもとに作成しています。ヤマハ、YAMAHAおよび本記事に記載のヤマハ製品名・サービス名は、ヤマハ株式会社の商標または登録商標です。Wi-Fi、Wi-Fi 6E、Wi-Fi 7はWi-Fi Allianceの商標または登録商標です。

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本記事の情報は2026年10月時点のものです。最新の在庫状況はアイティープロダクトのサイトでご確認ください。

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