企業内でネットワークを構築する際には、スイッチを設置しなければなりません。
スイッチはCisco社製のものが国内外の企業で、大企業に限らず中小企業でも幅広く使用されており、種類も多いです。

数あるCisco社製のスイッチの中でもCatalyst 2960-XR シリーズは仮想化機能が付いているのが特徴です。仮想化機能を利用すれば、冗長化もできるでしょう。ここでは、Cisco社のCatalyst 2960-XR シリーズのルーターを3機種紹介していきます。

■紹介する製品一覧

製品名 カテゴリ 訴求ポイント
WS-C2960XR-24PD-I スイッチ 仮想化機能あり
WS-C2960XR-48TS-I
WS-C2960XR-48TD-I

スイッチを冗長化して安全性と安定性を高めたい

企業が業務用として使用しているスイッチは、不具合が生じてつながらなくなると業務が停滞してしまうおそれがあります。
そう頻繁に不具合が生じるわけではありませんが、ひとたび業務が停滞することで被る損失は大きいです。
タイミングが悪いと、データが失われる可能性もあるでしょう。そのため、不具合に備えて冗長化した設備を設置しておくのが良い対策法です。

よく行われているのは電源の冗長化で、普段使用している電源が使えなくなっても、他の電源に切り替わる仕組みになっています。また、スイッチなどのネットワーク機器であれば、1台のみ設置するのではなく、複数台設置する方法を採ることが多いです。

冗長化の方法は様々ですが、複数台のスイッチを仮想的に1つにまとめる技術を用いた冗長化が良いでしょう。
例えば、3台のスイッチを仮想化して1台として使っていれば、そのうちの1台が壊れても、何事もなかったかのようにつながり続けます。
壊れたスイッチは後日交換すれば、その後も冗長化を保てます。

製品紹介:中古のCatalyst 2960-XR シリーズも対応する「FlexStack-Plus」

WS-C2960XRシリーズ

Catalyst 2960-XR シリーズは、600MHzのデュアルコアCPUを搭載しており、FlexStack-Plusに対応しています。
FlexStack-Plusはスイッチを冗長化する技術の1つです。
複数のスイッチを設置した上で、その複数のスイッチを仮想化して1つのスイッチとして使用します。コンフィグファイルも1つになり、ネットワーク上では完全に1つのスイッチとして認識されるようになります。

また、スタック帯域幅は80Gbpsで、スタック数は8です。最大で8台までのスイッチを仮想化して1台のスイッチにまとめることができ、帯域幅に関しても、十分な通信速度を確保できる数値です。電源はデュアルFRUを採用しており、こちらも冗長化できるような仕様になっています。

また、Catalyst 2960-XR シリーズにもさまざまな機種がありますが、代表的な製品について表でまとめてみました。アップリンクポート数やPoEの対応状況などが主な違いです。

■紹介する製品の性能表

製品名 アップリンクポート数 Cisco IOS VLAN数 PoEポート数と電力 電源
WS-C2960XR-24PD-I SFP/SFP+:2 IP Lite 1024 ポート数:24
電力:370W
640W AC
WS-C2960XR-48TS-I SFP:4 IP Lite 1024 なし 250W AC
WS-C2960XR-48TD-I SFP/SFP+:2 IP Lite 1024 なし 250W AC

製品紹介:WS-C2960XR-24PD-I

WS-C2960XR-24PD-Iは最大で24ポートまで使用可能で、そのうちPoE+(IEEE 802.3at)に対応しているのは12ポートです。Cisco IOSはIP Liteに対応しています。電源は640Wとやや大きめで、二重化に対応しているため、電源の冗長化も可能です。

他の2機種と大きく異なる点は、PoEポートを利用できる点です。PoEポートのトータルの出力は370Wで、アップリンクがSFP/SFP+という点も特徴です。

WS-C2960XR-24PD-Iは定価だと80万円を超えます。実売価格でも新品だと40万円以上と高額です。そのため、WS-C2960XR-24PD-Iの購入を検討する際には、中古での購入も併せて検討するケースが多いです。中古のWS-C2960XR-24PD-Iも出回っており、中古なら安く購入できる場合もあります。

また、レンタルで利用することも可能で、短期間だけ使いたい場合に便利でおすすめです。
他の機種にするかどうか迷っている場合には、いったんレンタルで使ってみてから購入を決めるのも一法です。

■WS-C2960XR-24PD-I 製品情報まとめ

  1. PoEポートを24ポートまでサポートし、そのうち12ポートはPoE対応
  2. 電源の二重化に対応
  3. アップリンクポート数はSFP/SFP+が2つ
  4. 電源はやや大きめの640W AC

WS-C2960XR-24PD-Iの中古販売ページはこちら
WS-C2960XR-24PD-Iのレンタルはこちら

製品紹介:WS-C2960XR-48TS-I

WS-C2960XR-48TS-Iは最大で48ポートまで使用可能です。アップリンクはSFPに対応しており、4ポート使用できます。Cisco IOSは上で紹介したWS-C2960XR-24PD-Iと同様にIP Liteに対応しています。

しかし、WS-C2960XR-48TS-Iは、WS-C2960XR-24PD-Iと異なりPoEには対応していないのが難点です。また、電源は250Wで、WS-C2960XR-24PD-Iと比べると小さめですが、電源二重化に対応しています。

WS-C2960XR-48TS-Iは定価が100万円近い金額で、実売価格は新品なら40万円強です。中古ならもう少し安い金額で購入できますが、レンタルを利用することもできます。
レンタルで一度使ってみてから購入するかどうか決めることも可能です。

■WS-C2960XR-48TS-I 製品情報まとめ

  1. 最大で48ポート使用できる
  2. PoEには非対応
  3. 電源二重化に対応
  4. 電源はやや小さめの250W AC

WS-C2960XR-48TS-Iの中古販売ページはこちら
WS-C2960XR-48TS-Iのレンタルはこちら

製品紹介:WS-C2960XR-48TD-I

WS-C2960XR-48TD-Iもポート数が48個です。アップリンクに関しては、SFP/SFP+に対応しており、2ポート利用できます。Cisco IOSは他の2機種と同様にIP Lite対応です。

また、WS-C2960XR-48TD-IもPoEには対応していません。電源が250Wという点もWS-C2960XR-48TS-Iと共通しています。電源二重化には対応しているため、電源の冗長化が可能です。

WS-C2960XR-48TD-Iは定価だと100万円を超える金額で、新品なら実売価格は50万円を超えます。ここで紹介している3機種の中ではもっとも高価なスイッチです。
仮想化機能を使って冗長化する際には3台程度必要になるでしょう。その場合には、すべて新品で購入すると150万円以上になります。
そのため、中古で購入したり、レンタルを利用したりする企業も多いです。

■WS-C2960XR-48TD-I 製品情報まとめ

  1. 最大で48ポート使用できる
  2. アップリンクがSFP/SFP+対応で2ポート使用可能
  3. 電源二重化に対応
  4. 電源はやや小さめの250W AC

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WS-C2960XR-48TD-Iのレンタルはこちら

スイッチを冗長化したいならCatalyst 2960-XRシリーズ

Cisco社のスイッチのうちCatalyst 2960-XRシリーズの3機種を紹介しました。
いずれも、Cisco IOSはIP Lite対応で、FlexStack-Plusという技術を用いた冗長化機能に対応しています。電源二重化にも対応しており、冗長化機能を重視する用途で使用する際によく合っているでしょう。
ポート数やPoEへの対応、アップリンクポートの対応状況などが3機種で異なるため、用途や環境に合わせて選ぶと良いでしょう。また、いずれもかなり高額であるため、中古製品の購入がおすすめです。

ここがポイント

  • 3機種ともFlexStack-Plusと電源二重化に対応し冗長化しやすい
  • 3機種ともCisco IOSはIP Lite対応
  • PoEに対応しているスイッチを使いたいならWS-C2960XR-24PD-I